↓前編記事はこちらから
世界レベルの「美」をつくるボディメイクのカリスマ、池澤智さんへのインタビュー前編では、健康と美の定義の移り変わりや、パーソナルトレーニングについて伺った。
後編ではさらに池澤さんのライフスタイルや今後のビジョンに迫ってみたい。
TOMO IKEZAWA/ 池澤 智
トータル・ワークアウト代表
パーソナル・トレーナーを目指し、トータル・ワークアウト創設者ケビン山崎の元へ渡米。
多くの有名人やセレブのボディメイクを手掛け高い評価を得る。
2012-18年ミス・ユニバース・ジャパン、16年〜ミス・アース、19年〜ミス・ジャパンのオフィシャルトレーナーに抜擢され、ファイナリストたちのボディメイクを手掛けている。
2019年 goop TOKYOエグゼクティブ・マネージャー(Beauty/Exercise specialist)就任。
六本木ヒルズには、自身が考案した美しいカラダをつくるための「Nutrient-dense foods」の考え方に基づくこだわりのメニューを提供するカフェ「TOTAL FOODS」がある。
トレーニングの本場と言われるアメリカへの視察がままならない今、情報収集をするために工夫していることはありますか?
トレーニングに関して言うと、TWは、世界中に160か所以上のトレーニングセンターを持つ、アメリカを拠点とする最先端のトレーニング開発センター、Athletic Republicとパートナーシップを組んでいます。
確かに、今までは実際に足を運んで、情報入手や体験をしていましたが、すでに長年の太いパイプがあるので、現地に行くことが出来ないからと言って何ら不安はありません。
もう少し広い意味での情報に目を向けると、ケビン山崎自身がアメリカ人ですし、娘さんがアメリカでモデル・栄養コンサルタントとして活躍しているので、常にウェルネスの情報にアンテナを張り、情報発信してくれているので強い味方です。
goop創設者のグウィネス・パルトロウはじめ、フィットネス・ウェルネス・ビューティに携わる仲間が世界中にいるので、ダイレクトにリアルな情報が入ってきます。海外の仲間には、日本でウェルネスを広めるならばTWは外せない、と思ってもらっているようで光栄です。
ちなみに、日本では同じフィットネス業界の中で尖った人たちと交流することを意識しています。皆さんに実際にTWのトレーニングを体験してもらい、共に日本のウェルネス業界を盛り上げていくことで、より海外との連携も強くなっていくと思います。
2019年 goop TOKYOエグゼクティブ・マネージャー(Beauty/Exercise specialist)としてWorkshopを開催。今後も国内外問わずワークショップなどを企画中なのでお楽しみに。
今回このオウンドメディアを通じて、ジムの会員以外の方にも伝えていきたい事はなんでしょう。
情報過多な現代の状況下で、あえて新しいメディアで情報を発信しようとおもったのは、あふれかえる情報の中で、いったいどれだけの物が「リアルな経験」に基づいているのだろう?と疑問に思ったことからです。
20年以上、何万人ものカラダを変えてきた「リアルな経験」があるからこそ発信できること、信頼感・安心感を築き上げてきたTWだからこそ発信できること、を伝えていきたいと思っています。
知らないよりは知っておいた方がベター、という情報ではなく、確実に「明日自分に役立つ情報」を発信していくことが目標です。
自身の生活の中で、刺激をうけるもの(事)があれば教えてください。
多種多様なクライアントから、絶えず刺激をうける毎日です。
著名人やアスリートであればドラマ・舞台・コンサート・大会など力を発揮する場があり、一般の方でも、仕事や、たとえば結婚式など、最終発表の場がありますが、通常「最終発表」の場だけを目にしますよね。ところが、パーソナル・トレーナーという仕事は、最終発表までに準備する、作り上げていく過程を一緒に体験できるのです。作り上げる過程というのは、非常にエキサイティングなのです。
多くの人の人生に参加できる喜びは絶大ですし、明確な目的を持ってトレーニングする、限られた時間の1つ1つが本当に新鮮で、飽きることがないです。
あとは、人のカラダをみていると、自分のカラダの中が更に気になってきます。
私はサプリメントが好きで、量やタイミングでどのような体感が得られるか、自分のカラダを使って研究するのがすごく楽しいです。そのような探求心が常に刺激を生み出しているように思います。
好奇心・探求心は自然に生まれるものではないように思います。元々持ち合わせた性格、というよりは、好奇心を生みだすことは、もしかしたらスキルや自らの意識の力が大きいのではないでしょうか。私は自分の仕事を通じて、好奇心や刺激を生み出すスキルを身につけたのかもしれません。
カラダを内側から整えるルーティンに欠かせないサプリメントやプロテインドリンクの一部。ストックがなくなると不安になるほど、池澤さんのライフスタイルに欠かせないものだそうです。
池澤さんでも「なりたい自分」の目標(アップデート)があるのでしょうか。
近年は「頑張っている自分」とは別の方向を見始めました。
「完璧でいること」よりも「今の自分を受け入れられる」ようになりたい、というのが意識していることです。
仕事上太ることは良くないですが、「心地よいカラダ」でいることが大切だと感じています。
今まではストイック感が好きでしたが、ストイックは時に自分を追い詰めてしまうことがあるので、健康のアンダーラインを保ちつつ、美味しいものを美味しく食べることを楽しんでいます。
それは、万が一その美味しいものがカラダに良くないものだとわかった場合でも、ちゃんと対処できる知識があるから出来るようになったのかもしれませんね。
どうなっても対処できる、という知識やノウハウがあるので、一部の隙もないストイックさではなく、ライフスタイルに緩急つけることができるようになりました。
あとは、カラダのフォルムよりも、機能をより重視するようになりました。
階段の上り下りの際の脚のあがり方に程よいキレがある、正しい姿勢を保つことができるなど「動けるカラダ」ではあり続けたいです。
最後に、健康によくないとわかっていても辞められない悪習慣があればこっそり教えてください。
一番好きなお菓子が・・・実はポテトチップスです。
これだけはやめられません。
ただし、無添加の商品を試してみたり、手作りする工程を楽しむことも忘れません。
自分でつくる場合は、カメリアオイルを使って揚げるか、ノンフライヤーで乾燥させることが多く、私は塩コレクターでもあるので、色々な塩のトッピングを試すことも楽しみの一つです。
ポテトチップスを食べた後のアフターケアも大切です。それはまたの機会に。
池澤さんのあふれ出す探求心から、私も大いに刺激をうけました。健康や美の定義はひとそれぞれですが、それぞれの良さや、更にアップグレードできる部分を引き出す手助けをしてくれるのが、パーソナル・トレーニングの強みなのだということを再確認しました。年末年始の生活リズムでどんよりしたカラダから抜け出せていない私も、今日の池澤さんの言葉でやんわりと喝をいれられた感じがします。ますます自分のカラダと向き合うことが楽しみになりました。自分のカラダと向き合うこと、より自分自身の声に敏感になることが、なりたい自分を一歩先にすすめる秘訣なのかもしれません。