筋トレをしたあと、多くの人が経験する筋肉痛。筋肉痛が長引いて次の筋トレができないという悩みや、逆に筋肉痛にならない場合「追い込みが足りなかった」と不安になるなど、筋肉痛との付き合い方は難しいもの。
筋肉の成長の過程で起こる「超回復」と「筋肉痛」についての知識がないと、筋肉が効率的に育たない可能性があります。
結論から言って
筋肉痛がある部位は2日間~3日間の休養が必要です。
筋肉痛とうまく付き合い、筋トレの効率を高める方法を具体的に解説します。
超回復とは? 筋肉成長のカギを握るメカニズム
筋トレで筋肉に十分な負荷をかけると、代謝ストレスや筋繊維の損傷により筋肉痛になります。その損傷が回復する時に以前よりも肥大する現象を「超回復」といいます。
つまり、その回復をいかに効率良くするか?が、筋トレの成果を左右するのです。そこで、筋肉痛との付き合い方とケアの方法を以下で解説します!
超回復のメカニズムについての詳細は、以下の記事を参照してください。
筋肉痛の予防とケアの方法。筋肉の成長促進のためにすべきこと
筋肉痛の予防と回復には、正しい栄養摂取と休養が重要です。これをすれば筋肉痛を防げるというものはありませんが、筋肉痛を防ぎたい方や早く治す方法を知りたい人、筋肉の損傷をしっかりケアしたい人はぜひ参考にしてください。
超回復を早めることは難しいですが、より効率的な回復を促すことはできます。
❶超回復に必要な休息日を設ける
筋トレで負荷をかけた筋肉は、休息日をもうけてしっかり回復させましょう。筋肉痛を無視してオーバーワークになると筋トレの頑張りが成果に結びつきづらいだけでなく、怪我につながる恐れがあります。
回復に必要な時間は筋肉の部位によって異なります。
大腿四頭筋や背筋・胸筋と言った大きな筋肉や約72時間。
肩や腕の筋肉は約48時間。
ふくらはぎや腹筋であれば約24時間。
が目安だと言われています。
❷筋肉痛のない部位を鍛える
上記の通り、鍛えた筋肉は一定の休養が必要なため、筋肉痛のある時は同じ部位の筋トレは避け、別のパーツを鍛えましょう。
筋肉痛が残っている状態で別の部位を筋トレする場合、は怪我を予防するための対策を考えましょう。例えば下半身が筋肉痛の場合、上半身を鍛えることはできますが、立った状態でバーベルを持ち上げると下半身の踏ん張りがいつもより弱くなる場合があります。ベンチに背中を付けて行う種目に変更する、RMや回数の調整を視野に入れる、パーソナルトレーナーの補助を入れるなどの工夫をしましょう。
鍛えるパーツの分割方法は以下の記事を参考にしてみてください。
❸回復と成長に必要な食事と栄養素
筋肉痛の間は、栄養摂取が特に重要です。筋タンパク質の合成を促進して分解を抑制するために、血中アミノ酸濃度を高めましょう。
そのためにはバランスのいい食事に加えて、たんぱく質を多くとりましょう。食べ物で補えないものはサプリを活用して筋トレによる筋肉痛に働きかけましょう。
◎積極的に摂りたい:プロテイン
筋トレ後すぐ、30分以内にホエイプロテインやBCAA(EAA)で筋肉の成長と回復を促しましょう。
就寝中も血中アミノ酸濃度を高めて回復を底上げする場合は、夜寝る前に、消化吸収の負担が軽い植物性プロテインを飲むことをおすすめします。
◎積極的に摂りたい:BCAA
運動前や運動中の摂取が一般的なBCAAですが、筋トレ後の摂取でも疲労緩和や回復効果の底上げが期待できます。
◎積極的に摂りたい:ビタミン
ビタミンの中でも高い抗酸化作用のあるビタミンA、ビタミンC、ビタミンEは回復のために摂りたい栄養素。
また、ビタミンB1は疲労回復のホルモンとも呼ばれ、疲労回復に重要です。糖質の代謝を助けてエネルギーをつくり出す、神経系や筋肉の機能を正常に保つ、といった働きもあるため エネルギー不足を防いで疲労感を軽減するために摂取しましょう
×頑張って避けたい:アルコール
筋トレをした日にアルコールを摂取すると、アルコールの分解にエネルギーが使用され、筋肉の修復がおろそかになりかねません。筋トレ以外の日にアルコールを飲む場合に気を付けるべきことについては以下の記事を参照してください。
❹ストレッチをする
筋肉痛を予防するためには筋トレ前に「動的ストレッチ」をして酸素と栄養の循環を良くしておきましょう。
また、筋肉痛の回復を促進するには、筋トレ後に、筋肉を伸ばした状態で数十秒固定する「静的ストレッチ」を。寝る前に行うと副交感神経への切り替えをスムーズにするメリットもあるので良い睡眠による回復力アップにもつながります。。
筋トレ効果を高めるストレッチについては以下の記事をご覧ください。
❺マッサージやケアをうける
筋肉痛の回復にはマッサージも有効。血流を促して老廃物の除去を促進してくれる作用が期待できます。
プロによるマッサージが一番ですが、自宅で行う場合はフォームローラーやスティック状のローラーを活用すると手軽です。痛すぎない、気持ち良い程度にとどめましょう。
❻水分補給
筋肉痛の間、筋肉内では血流が活発になり、筋たんぱくの合成・分解や,乳酸など老廃物の除去が活発に行われます。血流を滞らせないためにも、最低でも1日に体重×30ml(体重60kgの方 60×30ml=1.8L)の水分を摂りましょう。
❼冷やす・温める
筋肉痛を和らげるためには、入浴してカラダを温めるだけでも、血流が活発になり老廃物の除去に有効です。アイシングをしてから入浴することで、先ほど解説した交代浴に近い効果が得られるでしょう。汗をたくさんかくので、多めに水分補給をしてください。
❽睡眠
筋肉を回復させるためには、睡眠が重要です。最低でも7時間、できれば8時間の睡眠をとりましょう。
睡眠時間の長さだけでなく質にも気を配りましょう。
❾とにかくしっかり休む
筋トレで筋肉痛がひどい時は、オーバーワークや怪我の危険を回避するためにも思い切って休むという選択を!
休息といっても、寝て過ごす、ゴロゴロ…ではなく、筋肉痛が多少あっても、筋トレ以外の軽い有酸素運動(ウォーキングやランニング)や強度の強すぎないヨガ、ストレッチといったアクティブレストで筋トレを軽減しましょう。
【まとめ】超回復に必要なのは休息・栄養・ボディケア
がんばった筋トレの効果を無にしないように、超回復の期間を意識したトレーニングスケジュール設定に加え、回復を助ける栄養素とケアで、筋トレの効率をアップしましょう。
筋肉痛が1週間治らない、筋肉痛にならないのが物足りない、などの悩みがある方にはパーソナル・トレーニングがおすすめです。筋肉痛のなりやすさは個人差も大きく、適切な負荷をかけられているのか否かは、自分ではわかりにくいもの。
パーソナル・トレーニングなら、プロのトレーナーによってあなたに最適な負荷を設定でき、筋肉痛への対処法も的確に教えてもらえるでしょう。