1月初旬、宮崎にある久峰総合公園では朝から松田宣浩の声が響き渡る。
40歳を迎える2023年も若手よりも誰よりも声を出し、自主トレのムードを高める松田がいた。
「怪我をしない松田、強靭な肉体を持つ39歳」
その理由を知りたい、松田のような肉体づくりを行いたい…ベイスターズの宮崎、佐野をはじめ、彼のもとには今年も11人の精鋭が集った。まさに松田のように怪我をしない体づくりを求めての濃密なトレーニングが行われている。
ウォーミングアップは3km走で始まり、追い抜き走(200mのインターバル走)を3本、続いて負荷をかけたヨガを丁寧に行い、80mのピッチ走を10本。続いて100段近くある階段に移動しての階段走を10本…こちらは今年から毎クール取り入れた。そして、アジリティと体幹系のトレーニング約15種類を行う。
午前中の2時間半は徹底的に身体の基礎作りを行う「チーム松田」。
「とにかく1月は基礎作り。1年間戦い抜く為のベースを作り上げる時期。今のメニューをクリアできていれば怪我無くプレーできる。ただ、今年はもう一つレベルを上げる為にもう一段、強度を上げたい」と松田は意気込む。
17年間プレーしたホークスを離れ、プロ入り18年目を迎える2023年はセリーグ、ジャイアンツでプレーすることを決断したベテラン。新天地で如何にパフォーマンスを出すか、結果を残すか?松田は宮崎での自主トレの日々を限界ギリギリまで追い込む時間にすると決めて挑んでいる。
長年、松田の身体を見てきたトータル・ワークアウト 下山トレーナーはこう語る。
「勢いや気迫でプレーしているように見える松田さんですが、自分の身体の状態を察知する能力に非常に長けている選手です。だからこそ大きな怪我無く、ここまでやってこれました。自主トレでのメニューもこの10年ほとんど変わっていません。このメニューが松田選手の中で怪我をしない為の最低条件と考えています。体力面での衰えは私たちから見ても感じません。むしろ、レベルをもう一つ上げる為にさらに厳しいメニューに挑もうとしている部分もあります。その辺りは身体の察知能力の高い松田さんと入念な確認作業を行いながら進めています」
令和5年は巨人・松田としてある種、新たなスタートを切る。球界屈指の熱き男が今季、どんな姿を見せてくれるのか?
外野手・松田が生まれる可能性もある。セリーグの松田として新たな風を吹き込ませてくれる姿もイメージできる。
40歳を迎える今年、「松田宣浩、完全復活なるか」。いよいよ、楽しみな1年が始まる。
そのすべては彼が最も重要視する1月の基礎体力作りにかかっている。この1年、松田が怪我無くプレーすることになれば、「怪我をしない身体、怪我をしないトレーニングメニュー、怪我をしないメンタル」を持つ彼のもとのまた多くの若手が集うことになりそうだ。
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