「ダイエット中に水を飲むと痩せやすくなる」「水は1日に2リットル飲むのがよい」などをよく耳にします。水を飲むことがリアルにダイエットに効果があるのでしょうか?
ダイエットやカラダづくりのプロであるパーソナル・トレーナーに、痩せやすいカラダをつくるための水の飲み方を解説してもらいます。
「のどが渇いた」と感じた時にはすでにカラダは脱水状態だと言います。暑さが本格化する今の時期はダイエットだけでなく体調管理として「こまめに」「のどが渇くまえに」水分を摂取することを心掛けてください。
わたしたちにとって「水」とは?
人間のカラダは60%が水でできており、水は生命維持に大切な要素のひとつです。しかし、体内の水分量が不足していくと血液中の水分も減少してしまいます。すると、粘度が高いドロドロの血液になってしまい、栄養や酸素を上手く運ぶことができなくなり体調不良や心筋梗塞、脳梗塞を発症することに。熱中症も命に係わる重篤な症状です。
つまり、常に体内に充分な水分がなければ健康を維持できないということ。水分は生きていくために必要なものなのです。
水分が足りているカラダは
血流がよくなる
水分が充分にあると血流がよくなりカラダの隅々に栄養や酸素が運ばれるので代謝がUP。カラダの巡りが良くなることで、毒素や老廃物など余計なものをスムーズに排出できるようになります。巡りの良いからだは余計なものを溜め込まなくなるので脂肪がつきづらくダイエットの効率が上がります。
タンパク質の吸収が高まる
「筋肉のためにはプロテイン」と連想する方が多いかもしれませんが筋肉の70〜80%は水分。水分を摂ることで筋肉が合成されやすくなるのです。ダイエット目的で筋トレをしている方は必ず水分をきちんと摂ることを心がけてください。
腸内環境が整う
水分を摂ることで腸が活発に動くので便秘解消になります。特に朝起きた時のコップ1杯の水は大切。腸内環境をよくすることで良い栄養を吸収するベースができるのでダイエットにも直結します。便秘・下痢の悩みが無い人も腸内環境に気をつけるためにきちんとした水分補給をおススメします。
ダイエット中に水分不足になりやすい3つの理由
ダイエットをすると水分摂取が減る傾向にあるようです。
その理由として以下の3つの点が考えられます。
- ダイエットをすると日々の食事量が減る
- 「浮腫む」と水を控える人が多い
ダイエットをすると日々の食事量が減る。
ダイエット中はいつもより食事の量が減るので、食事から得られる水分量が減ってしまうことになります。こまめに水分摂取を心がけることと水分の多い食事をチョイスするようにしてください。
「浮腫む」と水を控える人が多い
水を飲むと浮腫むからと水分を減らすという方が多いと聞きます。むしろ水分をしっかり摂ることが血流をよくし、老廃物を排出するので、浮腫を改善します。実は浮腫むことで気にすべきは水分ではなく塩分です。
運動することでいつもより汗をかく量が増える
ダイエット中に筋トレや有酸素運動を行なうことで汗をかく。いつもより汗の量が多くなるということは体内の水分が失われるのでいつも以上に積極的に水分補給する必要があります。ダイエット中に限らず、水分が不足すると痩せにくいカラダになるだけでなく、便秘や、脱水症状、熱中症になる危険性があるので注意です。
一日に飲むべき水分量 適正な量を知ること
良くいわれている「1日に2リットル」説。本当に必要な水分量なのでしょうか。
適切な水分量は、その人の体重や、運動量によります。
体重x30ml/日が目安になるので、全ての人が2リットル/日に当てはまりません。
体重50kgの人であれば、1日1.5リットルが目安になります。
痩せるために筋トレをする、サウナにはいる、運動量が多いなど、汗をたくさんかく方はさらに+500mlかそれ以上追加する必要があります。
しかし、極端に飲みすぎるのはNG。一度にたくさん飲みすぎると「水中毒」を引き起こすことがあります。飲み過ぎて不要になった分は、腎臓の機能によって体外に排出さますが、その腎臓の排泄処理能力以上に水を飲んでしまうと体内の電解質のバランスが崩れて、体内の塩分濃度が薄まってことによる低ナトリウム血症が起きてしまう場合があるのです。
また、極端に汗をかいたときは電解質飲料(発汗などによりカラダから失われたミネラルや水分を効率よく補給)を活用するのもおススメです。
水を飲むタイミング
水は、まとめて一気に飲むのではなく「喉が渇いた」と感じる前にこまめに補給することが大切。実は「喉が湧いた」と感じた時はにはもう脱水が始まっているので早めの対策をしましょう。
寝起きの1杯
朝 起きた時にコップ1杯の水を飲む。寝ている間に失った水分を補給し胃腸を刺激。さらに腹式呼吸をすれば腸のストレッチになり、腸活・便秘解消にも効果あります。
一日に数回に分けて飲むこと。
のどの渇きを感じなくてもこまめに摂ること。
飲むことを忘れがちな人は、自宅にいる際も水筒に水を入れて常に目に付くところに置いておくと飲み忘れを防ぐことが出来る上に、どのくらいの量を飲んだかの目安になります。
まとめて大量に飲んでもカラダに吸収されないので「こまめな摂取」を心掛けましょう。
夕方から夜 お風呂に入る前後
眠る前 トイレに起きたくないと控える人が多いですが、寝ている間に知らず知らずのうちに汗をかいて水分を失っています。トイレが気になる人は糖質低めの電解質飲料を摂取するのもいいでしょう。
水の選び方
どんな水を選ぶのがよいか、悩む方もいらっしゃると思いますが、あまり神経質にならずに「軟水」でも「硬水」でも、自分の好みで飲みやすいものを選んでください。分子が細かく吸収されやすい水、シリカが入った水など、プラスアルファの効果がある水を選ぶのもよいと思います。
もちろん、炭酸水でもOKです。
しかし、糖質・人工甘味料・添加物の含まれたフレイバー、甘みの添加された水はおススメできません。
柑橘類やハーブをいれたフレイバーウォーターは、水そのものを飲むのが苦手な人には飲みやすいく取り入れやすいと思います。味に変化が出ると量を摂取しやすいので飽きっぽい方にもおススメです。
水分補給に適した水以外の飲み物
水が苦手という人にもおススメしたい水分補給のための飲み物一例。
ノンカフェインのお茶(麦茶やルイボスティーなど)
カフェインは利尿作用があるので「水分摂取」としてカウントされないのでノンカフェインを選ぶこと。
電解質飲料(スポーツミネラル飲料)
食事中や胃に物があるときは水でよいですが、胃が空っぽの時や、たくさん汗をかいて体内のミネラルが減っているときは吸収されやすいので電解質飲料を活用するのがよいと思います(寝る前、起きた直後は胃腸が空に近く、水をがぶがぶ飲んでも吸収されず尿として排出されてしまう。夜中のトイレ対策にも、電解質飲料をコップ1杯が効率的です)
プロテインドリンク
筋肉は水の貯水池とも言われ、筋肉組織の約80 %ほどが水です。筋肉がしっかり水分で潤っていれば筋トレ効果も上がるはずです。「水とプロテイン」はセットとして捉えて、両方をしっかり摂ること。ダイエットのために筋トレをしている人はトレーニング終了後30分以内にプロテインを飲んで筋肉合成を助けると効果的です。
スープ
水分補給だけでなく、温かいスープはカラダを温めて血流を促すのでダイエット中におススメ。しかし、塩分過多にならないよう味付けに注意が必要です。
KOMBUCHA
世の中に定着してきた発酵飲料のKOMBUCHA(昆布茶ではない)。アジアが発祥のお茶を発酵した植物性の発酵ドリンクです。発酵食品なので腸内環境を整える働きをしてくれる嬉しい効果があります。トータルワークアウトで扱っているKOMBUCHAは酵素のほか乳酸菌やポリフェノールといった栄養素が凝縮され、発酵によって生まれる有機酸が腸をそして毎日の健康をサポートしてくれます。
酢
お酢も発酵食品の仲間です。胃酸の分泌を促す作用があり胃や腸を刺激しぜん動運動を活発にして腸内の善玉菌を増やしてくれます。最近はさまざまなフレイバーの入ったお酢があるので水や白湯、炭酸で割って飲むとジュース感覚で楽しめます。
水分補給に適したドリンクは、パーソナル・トレーニングジムTOTAL WorkoutのWEBSTOREでも販売しています。興味のある方はチェックしてみてください。
REHYDRATION WATER
プロのパーソナル・トレーナーが推奨するスポーツミネラルドリンク
MAINTENENCE SOUP SET
カラダリセットに役立つタンパク質スープ
KOMBUCHA
日本初の非加熱製法による新鮮なコンブチャ
ダイエット中に避けたい飲み物
カフェインのはいった飲み物
前にもお伝えしましたが「水分摂取」の観点からはカフェインのある飲み物は利尿作用があるので「水分」にカウントされません。
水分摂取としてではなく「リラックス」のために飲む、例えばダイエットを頑張っている自分へのご褒美に本当に美味しい1杯のお茶やコーヒーを楽しむのは良い効果になると思います。
アルコール
ダイエット中は基本的にお勧めできません。利尿作用が高く、肝臓に負担をかけ筋肉合成を邪魔します。飲む場合は、気分転換に嗜む程度で。詳しくは以下の記事を参照してみてください
白砂糖・合成甘味料・添加物の入った飲み物
白砂糖はカラダを冷やす、合成甘味料はカロリー摂取を抑えられるなどメリットがあるものの強い甘みがあり、腸内環境の悪化につながるともいわれています。添加物もカラダ、特に腸内細菌にうれしくない成分が含まれているので避けることをおススメします。
水を味方につけて、キレイもヘルシーも手に入れる
「水を飲む」という日常的な行為がいかに大切かわかっていただけたでしょうか。水分が充分な潤ったカラダはいいことづくめです。
この記事の情報を基に「いつ、何を、どのくらい」飲むかをきちんと理解して、ダイエットを成功させるだけでなく健康なカラダづくりに役立てていただけたら嬉しいです。
尚、注意していただきたいのは、水だけを飲むといった極端なダイエット。水分を過剰摂取することで水中毒や低ナトリウム血症を引き起こし体調を崩すリスクが出ます。栄養もしっかりとれないので頭がぼーっとしたり低血糖を起こすことになるかもしれません。また、必要な栄養素が不足すると筋肉も落ちやすくなるので注意してください。
さあ、今から 水をきちんと飲みましょう。
カラダに必要な水の買い忘れ・飲み忘れが心配な方はサブスクを活用すると安心です。
カラダの血流が良いことが、健康や、美しさにかかわる理由については以下の記事でも紹介しています。ぜひご覧ください。
文/見学裕己子
(株)elena代表取締役 ライター
結婚、出産を経て、光文社「VERY」でライターとして活動開始。その後「STORY」「HERS」編集部にてファッション、インタビュー、旅、ライフスタイルの取材を行う。ライター歴22年。アラフィフ世代のウェルビーイングについて取り組みたいと2021年3月(株)elenaを立ち上げる。健康関連のサイトでディレション、取材や記事作成を行なう。健康管理士1級指導員の資格も取得。