ケン・ハラクマ氏。日本で初めてアシュタンガ・ヨガの正式指導資格を取得し、日本国内にYOGAという文化を広げた第一人者で、YOGAに精通する人で彼の名を知らない人はいないほど日本のYOGA界を牽引しつづけています。
「理想のカラダを作るために、鍛えたカラダを使うために、しなやかさとバランスのエッセンスを足すことで、全ての底上げが可能になる」
そう考えたトータル・ワークアウト代表の池澤智は13年程前、TOTAL Workout独自のYOGAプログラムを開発するにあたり、YOGA界の権威であるケン・ハラクマ氏に監修を依頼し、TW YOGAというプログラムを共に立ち上げました。
トータル・ワークアウトが新たに掲げるコンセプト「アクティブ・ウェルネス」を多くの方に体感いただくためのスタートアップイベント、13プログラム20セッションは、ケンハラクマ氏による「トレーニングに繋がるヨガ」のアクティブ・ウェルネス特別編で幕を開けました。
パーソナル・トレーナー歴27年になる池澤智は、健康やウェルネスに対する意識の変化についてこう分析しています。20年前には目的だった「痩せたい」「筋肉をつけたい」というカラダの変化。現在はカラダの変化は手段にすぎず、カラダを変えてより生活の質を上げる、色々なことにチャレンジする、ということが目的になってきている、と。
そこで、トータル・ワークアウトはウェルネスを手にしたい!と考える会員様のために、各ジャンルのスペシャリストと手を組み、トレーニングxメディカル、トレーニングxマインド といった、多様な選択肢、正しい選択肢を提供できる場としての取組みを再構築し、2022年「ACTIVE WELLNESS(アクティブ・ウェルネス)」というコンセプトを立ち上げました。
ヨガとは
「みなさん夏バテしてませんか?」というケン先生の問いかけに首を横に振る参加者たち。
さすが日ごろからウェルネスに対する意識の高さをうかがい知ることができ、ケン先生も「さすが!」と驚いていました。
そんな和やかな雰囲気でスタートしたプログラム、冒頭に改めてヨガについてご説明いただきました。
YOGAとはサンスクリット語でYuj(ユジュ)、繋がる・結合する・結びつけるという意味。カラダとココロ(精神)が一体となることを目指します。中でもケン先生が特に精通しているアシュタンガ・ヨガは、YOGAの中でも、力強くダイナミックなアサナ(ポーズ)と、4拍の呼吸を途切れることなく続け、流れるような動きでエネルギーをコントロールしながら行うヨガです。その昔、インドでは王族の健康管理や、兵士が機敏性の向上や、集中力を高めることために活用されていたといいます。
太陽礼拝
「まずは呼吸からスタートしましょう。痛いところまでいかないように、気持ちの良いところまでにしてくださいね。トータル・ワークアウトの人は頑張りすぎるから注意してください」
ケン先生のカウントに合わせ4拍子で鼻から吸って、鼻から吐く。
メトロノームの音に切り替え、太陽礼拝の動きにうつりました。
途中からケン先生のガイドは無く、参加者がカウントに耳を傾けて太陽礼拝を続けます。
多くのワークショップを開催しているケン先生ですが、ガイドなしにこれだけぴったりと皆の動きが合うという、レベルの高さに驚きをかくせない様子でした。
背骨への刺激
前後屈で背骨を伸ばして柔軟にした前記の「太陽礼拝A」に続き、腰のねじりや前後開脚が加わった「太陽礼拝B」に挑戦。
背骨は、伸ばす・前屈・ツイスト・後屈・逆転(頭がお尻より低い位置になる)の刺激、これら5つの刺激で整えることができるのですが、「太陽礼拝B」を行うことでこの全ての刺激をカバーすることができます。
引き続きメトロノームの音に合わせて太陽礼拝Bを繰り返すうち、参加者の顔に汗が浮き出てきました。
ちなみに、ライターである私もメモを取りながら呼吸だけ合わせていましたが、それだけでもかなりカラダ全体がポカポカとあたたかくなり、深い呼吸の持つ効果を実感しました。
水分補給休憩をして汗を拭く参加者の皆さん、 「出勤前、太陽礼拝AとBを合わせて行うことで1ヶ月で3歳若返るかも!?」というケン先生の一言に笑いが起こりました。
五感を遮断する
「次は、目を閉じて太陽礼拝Bをやってみましょう。普通2年以上レッスンした人向けの高度な方法なのですが、皆さんレベルが高いのでやっちゃいましょう!」
目を閉じる事で、五感の1つである「視覚」が遮断され、内側への意識を高めることが目的です。外と遮断されることで、目で見たビジュアルを通じてバランスを取ることができなくなると、自分の内側の中心がブレているか否かを意識してバランスをとるしかなくなるからです。
呼吸をとめずに、トライ! 薄目を開けていないか?トータル・ワークアウト代表の池澤智もチェックします。
さすがの参加者も、目をつぶることでカラダのバランスを保つことが難しくなり、動きにばらつきがでていましたが、これが、参加者自身が自分が整えるべきポイントや、左右のバランスの弱点に自ら気づくことができる貴重なプロセスなのです。
なぜパーソナル・トレーニングジムでヨガ?
冒頭でも触れた通り、「痩せたい」「筋肉をつけたい」というカラダの変化は今や手段の1つにすぎず、動きがしなやかで、そしてアクティブな感覚を表現できるカラダ、池澤智が名付けた「しなやかでかつアクティブなカラダ」が求められています。
ウェイト・トレーニングで筋肉を鍛える、神経系トレーニングで鍛えた複数の筋肉を連動させる。この、会員の皆様が日頃取り組んでいるトレーニングの効果を底上げするめには「体幹」を鍛えることが必要不可欠。さらには、体幹を「意識して」動かす能力がとても大切だ、というのがトータル・ワークアウトのトレーニング理論の1つです。
アシュタンガ・ヨガでは柔軟性、バランス感覚、ストレングスを養うことができます。可動域を広げ、左右のバランスを鍛えることにより、
- 正しいフォームでトレーニングできる
- トレーニング前おこなえば、筋肉内の温度を高めておくことで筋トレ効果が底上げできる
- 柔軟な筋肉は大きく収縮させることができるので筋肥大が効率的に行われる
- 怪我の防止につながる
など、大きなトレーニング効果を得ることができるだけでなく、日常生活の中でも役立つカラダづくりに繋がるメリットがあります。
正直、トータル・ワークアウト以外でもアシュタンガ・ヨガのレッスンを受けられる場所は沢山ありますが、ケン先生の指導を受けた「パーソナル・トレーナー」がヨガを行う事で得られるメリットは大きいと考えています。
ヨガを通じて気づいた、お客様が強化すべきポイントを、ヨガ以外のコア・トレーニング、ウェイト・トレーニング、神経系トレーニングや、時にはボディ・ケアや食を通じて、多角的かつ効率的に整える方法を担当のパーソナル・トレーナーがコーディネートできる。これが一番の強みであり、TW YOGAという独自のプログラムを2009年に立ち上げた経緯です。
カラダとココロをほどく
カラダをリラックスさせ、レッスンも終わりに向かいます
足の指1本1本からはじまり、膝、腰、心臓、頭のてっぺんまでをひとつひとつ緩め、ほどき、カラダ全体が地球の中心に吸い込まれるイメージで身を横たえます。
喉と首を緩めてあごの力をぬく 唇半開き 下を喉の奥におとす。
やろうと思えばいつでもできそうな事なのですが、実際にやってみるとすごく新鮮に感じ、いかに日常生活で1つ1つの部位に力がかかっているかを実感しました。
「明日からも家でやってくださいね!本当ですよ!」
ケン先生の言葉を受け止める参加者の皆様。本当にしなやかで、見ていてすがすがしい立ち姿が印象的でした。