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筋トレで体重が増えても大丈夫!?その増加が適切か否かトレーナーが解説します

筋トレをしてカラダが引き締まり「痩せた!」と喜んで体重計乗ってみると、体重が増えていた……なんて経験したことありませんか?

筋トレで体重が増えることは必ずしもネガティブなことではないので挫折しないでください!今回は、筋トレで体重が増える原因、理由をカラダづくりのプロであるパーソナルトレーナーに解説していただきます。

適切な体重増加かどうかを見極めることができれば、挫折したり、迷ったり、間違えた方向に舵を切ってしまうことなく、自信を持ってトレーニングに集中できます。

筋トレで体重が増える理由

まずは筋トレを続けていくとカラダが絞まっていくのになぜ体重が増えるのか?その理由を紹介します。

体重が増える理由は以下の通りです

  • 筋肉量の増加
  • 体脂肪率の減少
  • 水分量の貯蓄
  • 骨密度が増える
  • 間違った食生活

各項目について詳しく説明します。

筋肉量の増加

同じ体積の筋肉と脂肪では、筋肉の方が重い。そのため、体内で脂肪の量よりも筋肉の量が上回ると、体重が増加するというわけです。

筋肉量が増え基礎代謝がアップした証拠なので、体重増加を気にせずトレーニングを続けましょう。

体脂肪率の減少

軽い脂肪が減り、重たい筋肉が増えることで確実に体脂肪率が減ります。見た目は引き締まり変化し、体重は増えるという結果になるのです。

筋肉と脂肪は密度が違います。
筋肉の容量が1リットルのペットボトルだとすると、脂肪は約1.22リットル。
こうして、見た目は引き締まり変化し、体重は増えるという結果になるのです。

痩せるためには「食事を減らす」というマイナスのダイエットではなく「必要な栄養素を摂り筋トレもプラスして、大きな筋肉を増やし体脂肪率を減らす」ことが大切になります。

水分を貯蓄

筋トレ後、傷ついた筋肉を修復しようとする過程で筋肉に水分を貯めこむ性質があります。これは、正常な反応ですが、むくみすぎないよう適切な量の水を飲むこと。また、塩分をとりすぎないように注意してください。ストレッチやリンパマッサージをすることで予防ができます。

筋トレ後すぐに体重が増えるという人は水分の貯蓄が原因かもしれません。

骨密度が増える

筋トレで成長ホルモンが分泌され、運動で骨に衝撃(刺激)が加わるとことで骨の新陳代謝が活発なるといった筋肉量と骨密度は比例するという研究結果がありす。ただし目で見える体重増加の数値に反映されるほど大きな増加は考えづらいそうです

間違った食生活をしている場合

筋トレをすることで食欲が増し、いつも以上に食べてしまったり、「筋トレをしているから大丈夫だろう」と好きなものを自由に食べたりしていると、摂取エネルギーの過多により、筋肉ではなく体脂肪が増加してしまった・・・ということは少なくありません。体重増加とともに体脂肪率も増加しているようであれば要注意。消費カロリーにみあったカロリーを摂取すること。満腹にならない量を1日5回ほどに分けてこまめに食べるのが正解です。
ボディビルやフィジークのコンテストに出場する人が大会前に行う筋肥大に特化した食事制限は必ずしもこの通りではありません。

体重増加はどれくらいが許容範囲?見極めるべき3つのチェックポイント

筋トレで筋肉量が増加したから体重が増えたのか?もしくは残念ながら脂肪が増えての体重増加なのか!?
体重増加が適切な物なのか否かを判断するための3つの方法をお伝えします。

❶筋トレの負荷が増えているか?

筋肉が育っていれば、挙げられる負荷(重さ)がUPします。
(初心者の場合、トレーニングフォームを正すことで重いものを揚げられるようになるので、筋肥大のみが理由ではない場合もあり)
より重たいものが挙げられるようになっていないのに、、筋トレをしたらすぐに5kg増えた!という場合・・・筋量増加による適切な体重の増えではない可能性の方が高いです。

❷見た目の変化が感じられるか?

実は「見た目の変化」というのはかなり正しい指標になります。

オススめの確認方法は
・自ら撮影して日々の変化を記録する
・家族やパーソナル・トレーナーに見た目が変わったか聞く
・指標となるTシャツやパンツを着て鏡の前に立ち撮影する
など、見た目の変化を確認することから目をそらさないこと。
体重が増えても、カラダの見た目が引き締まっていれば、正しい効果が出ていることは一目瞭然です。

❸体脂肪率が減っているか?

体組成計や計算で体脂肪率を確認すること。
体脂肪率が減っていないのに体重が増えているのは筋量の増加ではなく、体脂肪率が増えていることになります。

体脂肪=体脂肪÷体重x100
で割り出すことができます。

実は体脂肪率を正確に測るのは難しく。家庭用の測定器であればなおさら誤差が大きく出てしまいます。出来るだけ毎日同じ時間、同じ条件で計測し、数値だけでなく、上記①②と合わせてトータルで体重増加が正しい変化か否か判断してください。

人により現状や目的が違うため、どれくらいが許容範囲かを数値化するのは難しいですが、タニタによる年齢別体脂肪率の表と、実際にジムに通う人の目指す数値を比較してみると「-標準(標準の中でも低め)」のあたりを目指すことで、見た目の満足感を得るひとが多いようです。

男性(18~39歳) 11~16%
女性(18~39歳) 21~27%

BMIという指標はどうかというと、BMIは身長と体重から算出しているので、カラダについているのが筋肉か脂肪か、脂肪が皮下脂肪なのか内臓なのかが分からず体重増加の原因を導き出すのは難しいかもしれません。

体脂肪率の理想値や、落とし方については以下の記事も参考にしてみて下さい。

筋トレで筋肉が増えるのはいつから?

筋トレ初期

筋肉は脂肪の4倍もの水分を蓄える性質があります。実は筋トレをすると筋肉の繊維が傷つき炎症を起こします。カラダは傷ついた筋繊維を修復しようとする過程で水分を溜め込み、一時的に筋肉が「張った」状態になるのです。
トレーニングを始めて最低でも3週間、平均的に1ヶ月~2ヶ月はこのように筋肉が水分で膨らんでいる状態であることが多いので、体重は増えないはずです。むしろ「体重をキープしたまま、脂肪と筋肉を入れ替える」ことをイメージしてください。
筋トレしても体重が増えない→筋肉がついていない、というでことではないので、勘違いは禁物。ここで挫折しないようにしてください。

筋トレ中期以降

しっかりと継続して筋トレに取り組み、筋肉の水膨れ期を乗り越えた筋肉は筋繊維自体が太くなってきます(トレ開始から6か月程度が目安)
こうなって初めて筋肉が大きくなり、見た目にもわかり、「体重キープ」の目標が「体重増加」に変化していきます。

筋トレ初期の理論同様、筋トレ直後や翌日は傷ついた筋肉の修復に水分が使われて一時的にむくみがでるのでこの微増で一喜一憂する必要はありません。

筋トレの体重増が適切でない場合の対処方法

体重増加しているけれど、どうも筋肥大しているように見えない、感じられない場合はどうしたらいいのか。
以下のポイントをトレーニングならびにライフスタイルに取り込めているかを再確認してください。

トレーニング負荷・回数・フォームは正しいか?

筋トレの負荷が軽すぎると筋肉は育ちません。自分の1RM(ぎりぎり1回上げられる重量)を知ること、やみくもに挙げるのではなく正しいフォームと力の連動が出来ているか否かで筋トレの効率は変わります。間違ったフォームで筋トレを頑張ると、狙った場所でない部位に筋肉がつき、見た目がかわらない、もしくは横に広がって見えてしまうといった残念なカラダづくりの原因になってしまうこともあります。

「筋トレで体重を増やしたい!」という人は効果が出やすい限界値にチャレンジすることでしっかり効果が出る筋トレが行えます。そんな時は負荷の見極めと怪我の防止の為にパーソナルトレーニングが効果的です。

  • 効果が出やすい限界値にチャレンジできる
  • 自分に甘くならず負荷をアップできる

パーソナルトレーナーについてトレーニングするメリットはここにあります。
毎回パーソナルトレーニングが難しいという人も定期的にチェックしてもらう事はとても有益。

逆に筋肉がつきすぎて体重増加を懸念する人は、負荷の設定を見直しましょう。筋肥大よりRMを低くし、回数を多くすることで持久力のあるしなやかなカラダづくりにシフトすることができます。筋トレをメインに、ウォーキングやランニングといった有酸素運動をプラスすることも効果的です。

筋トレに有酸素を組み込む方法については以下の記事を参照してください。


女性は特に筋肉がつきすぎることを気にする人が多いので、負荷や回数に不安アがある人はパーソナルトレーナーに目的のカラダづくりに必要なメニューを組んでもらうと安心でしょう。

また、1RMはその日のコンディションで最大18%もブレる可能性があるので、明確な目的がある人は重さでなく拳上速度を目安にする計測方法も有効です。以下記事を参考にしてみてください。

プロテインのとり方が適切か?

プロテインドリンクは筋トレの味方。とはいえ、
・適切な量
・プロテインドリンクのチョイス(糖質がたかいプロテインパウダーはお勧めできない)
・飲み方(水でなく牛乳やフルーツジュースで割ると糖質や脂質が高くなる)
・飲むタイミング(トレ後30分以内は必須!) 
・寝る前に飲むなら糖質・脂質低いサッパリした飲み方 など
を確認する必要があります。

食生活の改善がされているか?

カラダをかえるためには、「運動1割 食事9割と言っても過言ではない」とはカラダをかえるプロであるパーソナル・トレーナーの言葉。自己流の食事制限で筋トレをしているのに体重が増えてしまった、自分でコントロールするのが難しい、というひとはパーソナルトレーニングを視野に入れるか、食事管理のサービスを活用することも視野にいれてみましょう。

どんなにトレーニング量を増やしても、筋肉の材料となる栄養が不足していれば、筋肥大は起こりません。もしくは、筋トレ後にお腹が空いたからと言って好きな物を好きなだけ食べてしまっては体重が増えても無理はありません。正しい食事制限の知識を入手しましょう。


しっかり摂取したいのが筋肉の栄養となる「たんぱく質」。たんぱく質は、肉や魚、卵や乳製品などに多く含まれていますが、筋肉をつけるためには1日当たり体重1kgにつき1.5~2gの摂取量を目指したいところ。

また、栄養を吸収するための「腸」をケアすることは、もはや筋トレの常識です。
筋トレ効果を出すために必要な栄養素や食生活に関しては以下の記事も参考にしてみてください。

体重だけにフォーカスしていないか?

体重の「数字」だけに惑わされないこと。「体脂肪」と「見た目」が重要です。

筋肥大による体重増加か否かは体脂肪率の計算、またはジムで体組成を測定しましょう。とはいえどうしてもブレは出てしまうので、体脂肪・体重だけでなく「負荷が増えているか」「見た目が変化しているか」を合わせて判断してください。

【まとめ】適切な体重増加ならそれは成功体験です

体重の増加は筋肥大がうまく行っている結果なのか、それともトレーニングや食生活の設定が自分の目標にあっていないせいなのか?それは

  • 筋トレの負荷が増えているか?
  • 体脂肪率が減っているか?
  • 見た目に変化があらわれているか?

この3つを総合的にみて判断しましょう。

このような変化が見られないにもかかわらず体重が増えていたとしたら、筋トレやダイエットがうまく行っていない可能性があります。筋トレ効果を出すために

  • トレーニング負荷・回数・フォームは正しいか?
  • プロテインの摂り方は正しいか?
  • 食生活は改善されているか?

といった部分を見直してみましょう。

同じ体重でも筋肉が多いのと脂肪が多いのとでは見た目の印象が全然違います。脂肪が多いと、たるんで見えたり、貧相な印象を与えてしまいますが、筋肉が多いと、ほどよくハリがあって引き締まった健康的な印象になりますし、基礎代謝の高い太りにくいカラダになります。

先述の通り筋肉は脂肪より重いので、筋肉が増えることによって体重が増えることもありますが、体重はあくまで目安。たとえ体重が減っても見た目が変わらなかったり、筋肉まで減って代謝の悪いカラダ、活力のないカラダになってしまうのと、体重が増えてもキュっと引き締まった体になるのとでは、体重が増えても引き締まった体になる方がダイエット成功だと思いませんか?だから見た目が引き締まったのなら、体重が増えても気にしなくてOK。むしろあなたのボディメイクは成功と言えるでしょう!

筋肉が増えたことで脂肪が燃えやすくなっているので、そのまま続けていけば徐々に脂肪が減っていき、体重にも表れるようになります。

正しい体重増加か否か自分で判断することに自信がない場合や、カラダのラインに明確な理想がある人は、カラダをかえるプロであるパーソナルトレーナーに判断してもらうと間違いがないでしょう。
パーソナルトレーニングは目標に向け、最短で最大の結果を出すためのトレーニング・食・ライフスタイルをコンサルティングしてくれます。経験値やエビデンスを多く持ち合わせているパーソナルトレーナーは筋トレと体重増加の関係性をしっかり見極め、あなたの体重増加が適切な物か否か的確に判断してくれます。

金額が高いと思われているパーソナルトレーニングですが、短期間で結果を出すので実はコスパ、タイパ共に良く、自分の変化をしっかり可視化させてくれるのでモチベーション低下の心配なく前向きにカラダを変えることができます。
パーソナルトレーニングの内容や効果が気になる人は以下の記事も参考にしてみて下さい。


文/見学裕己子
 (株)elena代表取締役 ライター

結婚、出産を経て、光文社「VERY」でライターとして活動開始。その後「STORY」「HERS」編集部にてファッション、インタビュー、旅、ライフスタイルの取材を行う。ライター歴22年。アラフィフ世代のウェルビーイングについて取り組みたいと2021年3月(株)elenaを立ち上げる。健康関連のサイトでディレション、取材や記事作成を行なう。健康管理士1級指導員の資格も取得。


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Team elena

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人生100年時代のウェルビーイングを追求

ウェルビーイングにまつわるウェルネス、美容、ファッション、旅、ライフスタイル…。さまざまな情報を広くキャッチし、深堀りもする好奇心旺盛なライター・エデイター集団。長年にわたる専門家インタビューなどで知見を深めた正しい情報を提供します。

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