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リトリートとは?自分と向き合う時間が待つ意味・得られるもの・具体的なやり方を紹介

カラダだけでなく、ココロや脳の健康が重要視される近年、リフレッシュ方法として「リトリート」という新たな旅のスタイルへの関心が高まっています。

リトリートとは具体的になにをするの?なぜ今リトリートが注目されているの?具体的に何を、どんな目的で行うのか?といった疑問について改めて解説します。

リトリートを体験したことがある人も、そうでない人も、あらためてリトリートを理解し、ライフスタイルに役立てる機会になりますよう。

後半ではパーソナル・トレーニングジムTOTAL Workoutがプロデュースするリトリートについても紹介します。

リトリートとは?

リトリートとは、「非日常を味わえる場所」に身をおいて、自分自身を見つめなおすことで、カラダとココロを癒したり、自分にとって大切な物事を見極める時間をもつことを言います。

リトリートの意味や、通常の旅と何が違うのかを今一度確認してみましょう。

リトリートの意味

Retreat(リトリート)を辞書でひいてみると、本来の意味は、避難または避難所、静養所を指しますが、近年ではRetreatment(リトリートメント)を語源とするとらえられ方が有力です。

いずれも、自宅や職場といった、毎日生活している場所から物理的に離れること、非日常の場に身をおくことで、人間関係や仕事などで疲れたカラダとココロを緩める、手当てする、ことを意味します。

リトリートと通常の旅の違い

ただ漠然とのんびりとした時間を過ごそうと寝転がっても、ついつい仕事のことが頭に浮かんでしまう・・・という経験はありませんか?

逆に、観光旅行でリフレッシュしようとしたら、新しい発見や刺激に満ちた旅は楽しいものの、心身が疲れてしまい日常に戻るころにはぐったり、なんてことも。

いずれも旅も悪い事ではないのですが、「休んだ気がしない」という結果に陥ることがあります。

リトリートはカラダだけでなく、気持ちも日常から物理的に離れさせることでデトックスやリセットが期待できます。

単に心身を休めるだけでなく「旅の延長線上で自分を見つめ直す時間を設ける」。これが通常の旅とリトリートの違いです。

ちなみに「転地療法」と同じにとらえる人もいますが、転地療法は気候の違う地に赴くことで疾患を軽減・改善することを目的とする療法を指すため、厳密にはイコールではありません。

リトリートの具体的なやりかたについては以下の章で紹介します。

リトリートへのニーズが高まった背景

成人の約9割が脳の疲労を感じているといわれる近年、脳疲労を軽減することに対するニーズが急速に高まった結果、人々がリトリートを必要としていることが考えられます。

人は日常的に脳を使って多くの判断をしています。その数は実に1日に約35,000回ともいわれています。これでは脳が疲れるのも納得。

加速するデジタル化、重視されるタイムパフォーマンスのなかで動画を倍速再生することが当たり前になるなど、脳への負担は増すばかりです。

逆に、在宅勤務導入などによる働き方の変化で自分と向き合う時間が増えたり、価値観が多様化したというポジティブな変化もあります。

かねてからココロや脳に疲れを感じた時は3つのRを行うことが効果的だと言われてきました。

3つのRとは

  • Rest(レスト) カラダとココロの休息
  • Recreation(レクリエーション) カラダを動かして気分転換する
  • Relaxation(リラクゼーション) 心身の緊張をゆるめる

日常生活の中でもふとした時間にマインドフルネスやヨガを行い、この3Rを実践できれば理想的ですが、かなり難易度が高いのが事実。

そこで近年着目され、4つめのRに追加されたのがRetreat(リトリート)なのです。

いつもと違う環境に身をおくことで、心理的にも日常のストレスから切り離すこと、サイコロジカル・ディタッチメント(心理的な距離)を設けることが容易になるのです。

なぜリトリートが必要か?9つのメリット

リトリートと聞くと宗教的なイメージを抱く人もいますが、ココロの疲れをとるためには「非日常」に身を置く事が有効だということは科学的にも研究されている分野です。

ビジネスパーソンの仕事効率、アスリートのパフォーマンスを向上させるためにも活用されています。

❶自分を見つめ直せる

カラダもココロも日常からきりはなすことで、思考をリセットしやすくなります。

思考をリセットすると自分を見つめ直したり、自分の良い部分を見つけることができるでしょう。自己肯定感を高める方法の一つとしてリトリートを活用するという人も見受けられます。

定期的に行うことで、自身の変化を知るきっかけになります。
そのためには、毎回「同じことをする」ことも効果的です。あえて毎年同じ地で、同じ内容でリトリートすることで変化に気づきやすくなります。

❷デトックスできる

自分を見つめ直すと、疲れの原因がみえてきたり、手放すべきものと大切にすべきものの優先順位が見えてきます。家の片づけ、断捨離と似ている部分がありますね。

不要な物を手放すとカラダやココロに余裕が生まれ、風通しが良くなります。

❸チャージできる

デトックスしておわり、というのは少しもったいない。カラダとココロの疲れをとり、必要のないものを排出(デトックス)することで、自分に本当に必要な物ってなんだろうか?と考える余裕が生まれます。

自分に必要なものをチャージ、インプットするところまで出来たら、リトリート上級者。

インプットするといっても、何か小さな気づきで充分。アンテナを張りすぎてストレスフルになっては本末転倒です。初めて身を置く環境や、初めて会う人から新たな発見があるかもしれません。

❹回復できる

ゆったりと過ごす中で副交感神経が優位になると、ココロが休まるだけでなく血流が良くなる、血圧が安定する、活性酸素が減少するといった効果から、カラダの回復力が高まることにもつながります。

❺腸内環境を整えられる

腸脳相関と言われるように、腸は脳と密接な関係があり、ストレスは腸内環境に大きな負担を与えます。

リトリートで心を緩めると、腸内環境にも良い影響があり、腸で分泌される幸せホルモン「セロトニン」が活性化される可能性があります。

リトリートで腸、つまり腸内細菌が喜ぶ食事を食べるとなお良いです。

❻未来に前向きになれる

カラダの疲れやストレスでいっぱいいっぱいになっていると、未来への不安がふくらみ、先の見通しがたたないものです。

リトリートで疲れやストレス、不安と言ったものを排出すると「自分らしく、心地よく生きている状態」に戻れる(近づける)でしょう。

すると、これからのことを考える余裕がうまれ、「よりよく生きよう」という生活態度、つまりウェルネスを実行できる状態になるのです。

腸内環境についてもっと詳しく知りたい方、ウェルネスについて再確認したいかたは以下の記事も参考にしてみて下さい。

リトリートのやり方、7選

リトリートでは、これをやらなければいけない! これをやらないとリトリートとは言えない! といった決まりはありません。

心身をリラックスさせたり、デトックスやチャージをするために有効な具体案を7つ紹介します。

❶デトックス:ヨガなど適度な運動

ヨガや運動をすると以下のようなメリットがあります

  • 呼吸に意識を集中する
  • 血流を良くし栄養や酸素をカラダに送り込む
  • 適度な疲れが良い睡眠をうながす

疲れたカラダを休めるためには、激しい運動ではなくゆったりとした動きの運動が適しています。

運動に抵抗がある人は、ストレッチだけでもよいでしょう。

❷デトックス:温泉やサウナ

日本には温泉が多く、古くから湯治として親しまれてきた身近な文化があり、それに加えて近年ではサウナブームも加速しています。

温泉やサウナでカラダの巡りを良くすることはデトックスの基本。温泉やサウナを併設するリトリート施設も多いです。

❸デトックス:ファスティング

ファスティング、日本でいう所の断食には厳しいイメージを抱きがちですが、現代人のほとんどは日常的に食べすぎの状態。消化器系への負担を取り除くことで不必要なものが排出され、胃腸の健全なサイクルが整います。

腸がリラックスすると脳の疲労軽減にも効果がありますし、腸の状態が整うことで、カラダを気づかった食事をした場合、それらの栄養素を無駄なくしっかりと吸収できるようになります。

❹デトックス:瞑想、マインドフルネス

今自分の置かれている状態に満足して身を任せられている人は少なく、過去の嫌な記憶をもとに未来を不安視してしまったりと「心ここにあらず」な状態であることが多い。

物理的な忙しさや、デジタル社会の情報量の多さに加え、こういった心理状態が自らストレスを増幅させてしまっています。

そんな散漫な心を“今”に向けるために効果的なのが瞑想や、瞑想状態を目指すトレーニングであるマインドフルネスです。

1つのことに集中するというよりは、“今”の自分を俯瞰するイメージの方が近いでしょう。

❺インプット:食事療法

リトリートでファスティングをするのも良いですが、美味しいものを食べるのは旅の醍醐味。

とはいえリトリートでは「何も考えずに食べる」のではなく、「食べたもので自分のカラダが作られている」ことを意識して細胞や腸が喜ぶものをチョイスしたい。

植物由来のプラントベースフードや発酵食品、過剰に精製されていない食品、季節的なカラダの不調を改善する旬の食材をとりいれたカラダに優しく、目にも美味しいメニューでカラダとココロを整える事ができます。

ちなみに、食事自体がマインドフルネスになりえます。

食材の見た目や、食感に集中する食べ方は「マインドフルイーティング」といわれ、普段スマホを見ながら無意識で食事をしている人にとっては新鮮な感覚でおすすめです。

❻インプット:森林浴

森林浴のみに限定されるわけではありませんが、自然の中を散歩することで

よい景色、新鮮な空気、風や木々が揺れうごく音、自然の放つ香り、波や水の音、日の光や月光 といったもので五感が程よく刺激されます。

過剰な刺激はストレスになりがちですが、これらの自然環境が発する刺激は自律神経のリズムを整えることに効果的です。

❼インプット:学びや発見

学びを「勉強」ととらえると拒否反応、ストレス反応を示す人もいるかもしれませんが、自分のストレスを和らげる方法や、腸内環境を整えるための食の知識を得ることで、日常に戻った際にこまめに自分を整える事ができるようになります。

このような「気づき」「発見」を得られるレクチャーやプログラムを受けられると、リトリートで得たものが日常にも生きてくるでしょう。

トータル・ワークアウトが提案するリトリートとは?

カラダづくりのプロであるパーソナル・トレーナーで、パーソナル・トレーニングジム「トータル・ワークアウト」の代表を務める池澤智は20年以上にわたり多くのクライアントにカラダづくりを届ける中で、トレーニングの目的が「カラダづくり」だというニーズから、「カラダづくりは手段の1つ」であり手に入れたカラダでどんな人生をおくるか?に人々の意識がシフトしていることを感じ取り、自ら気づく、自ら微調整できるスキルを高めるためのプログラムを開発してきました。

その集大成が、自分自身を知り整える方法を自ら学ぶ「アクティブ・ウェルネス」
アクティブ・ウェルネスの様々なコンテンツの中でも特に重要な位置づけにあるのがリトリートです。


池澤 智/TOMO IKEZAWA

TOTAL Workout 代表

パーソナル・トレーナーを目指し、トータル・ワークアウト創設者ケビン山崎の元へ渡米。フィットネスの本場アメリカで修業した日本初の女性パーソナル・トレーナー。俳優やモデルといった多くの文化人のボディメイクを手掛け高い評価を得る。2012年~ミス・ユニバース・ジャパン、16年〜22年ミス・アース、19年〜22年ミス・ジャパンのオフィシャルトレーナーを務め、トレーニングだけでなく食やメディカル、ライフスタイルと多岐にわたる知識を基に世界レベルの美を追求したボディメイクを指導。トータル・ワークアウト各店舗には自身が考案した美しいカラダを作るためのこだわりのメニューを提供するカフェ「TOTAL FOODS」がある。

ただ待っているだけではウェルネスは手に入らない。健康の為に、カラダに必要なものと不必要なものを知り自分でチョイスする能力を養うことを重視する「ACTIVE WELLNESS(アクティブ・ウェルネス)」を提唱。人生をより豊かに、より良いものにしていただくための様々なコンテンツでライフスタイルをサポートしている。

トータル・ワークアウト代表 池澤智プロフィール写真

池澤智がリトリートで大切にしているのは3つのアプローチ

  1. 動く
  2. 食べる
  3. 休める

❶動く~エクササイズ

休暇だからと完全にエンジンを切ってしまうと、いざ走りだそうと思った時にガソリンが足りなかったり、故障に気付いて慌てて調整をしないといけない!

という事態に陥る可能性があります。

アクティブレストといって、カラダをアイドリング状態で休ませておくと、非日常から日常に戻った際に、違和感なく走り出すことができます。

また、心地よい疲れを感じるくらい、積極的にカラダを動かすと、動と静のメリハリがつきやすくなると考えます。

つまり、筋肉を意識できるくらいしっかりと動かすことで、動かした筋肉を解放しリラックスさせる感覚がつかみやすくなるのです。

すこし難しい、つらいくらいの運動だと余計なことを考える余裕がなくなり自然と“今”に集中できるものです。カラダを動かした心地よい疲れは、よい眠りへの特効薬ともいえるでしょう。

❷食べる~腸内環境を整える食事

食べ物を消化吸収する腸には、他にも5つのはたらきがあります。
合成、解毒、免疫、浄血、排泄

腸内環境を制すればウェルネスを制するといっても過言ではないほど。

リトリートでは、腸内細菌が喜ぶ食事をシンプルに楽しみながら、

  • 自分でも日常的にチョイスできる腸によい食材はなんだろう?
  • 腸に良い食事をするとカラダはどのように反応するだろう?

と、自分のカラダを労わることに意識を向けることを促します。

日常生活で負担がかかった腸を休ませるためにも、腸内細菌のよろこぶ食材を送り込むためにも、リトリートではプラントベースフードで構成されたメニューをチョイスする傾向にあります。

❸休める~禅・マインドフルネス

冒頭でリトリートの注目度が高まっている背景には「脳の疲労」が大きく関係している旨を伝えましたが、脳が疲れていると、病名はないような小さな不調を引き起こしたり、なんとなくすっきりしないといった漠然とした倦怠感を感じることが多々あります。

それらを放置していると本格的に病名のつくような大問題に発展することも考えられます。

リトリートで脳の疲れを実際に緩和しつつ、日々の生活で活きるこまめな脳のケアスキルも手に入れて日常に戻りましょう。

呼吸や、カラダのパーツの1つ1つに徹底的に集中することで、次にカラダもココロも開放する感覚をつかみやすくなるプロセスを体験してもらいます。

緊張でカラダがガチガチになった時、いくら頭でカラダにむかって力を抜くように命令してもうまく行かないことがありますよね?そんな時は、もうこれ以上力が入れられない!というくらい一旦カラダに力を込めてみる。するともうあとは力を抜くしかできません。

脳とココロのストレッチも、一度集中することで、解放しやすくなるのです。

心地よいストレッチで程よく緩んだ脳は良い睡眠と心地よい目覚めをもたらすのではないでしょうか?ぜひご自身で体感していただきたいものです。

トータル・ワークアウトが開催したリトリート

トータル・ワークアウトの池澤智が開催した過去のリトリートについては以下の関連記事を参考にしてみて下さい。

禅坊 靖寧
兵庫県淡路市楠本字場中2594-5
https://www.zenbo-seinei.com/

江之浦リトリート 凛門
神奈川県小田原市江之浦218-1
https://enoura-rimon.com/

日常の中で出来る脳やココロのケアについては、以下の記事もご覧ください。

【まとめ】リトリートで自分と向き合い、整える

リトリートで非日常に赴くことで

  • 自分を見つめ直せる
  • 心と体のデトックスができる
  • 心と体のチャージができる
  • 腸内環境が整う
  • 未来に前向きになれる

などのメリットがあることがわかりました。

海外では1週間~2週間のリトリートプランもあるようですが、そこまで長期間の休みを取るのが容易ではない日本社会では、週末を利用した2~3日のリトリートが現実的なのではないでしょうか?

「非日常のリトリート」で定期的に自分と向き合い、ココロとカラダを整える。
日常生活でも、リトリートで気づいた自分に不要な物を手放し、必要なものを摂り入れることでカラダとココロを微調整する。
この2つの意識を持つことが、自分らしく心地よいライフスタイルを送る近道になるのではないでしょうか?

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カラダづくりのプロフェッショナルチーム

カラダづくりのプロであるパーソナル・トレーナーと、フードケア・ボディケアの各スペシャリスト、編集者がチームを結成。経験に基づいたリアルな情報をお届けします。

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