ダイエット中はお肉を我慢して野菜中心のヘルシーな食事をしなければと考えることが多いのでは?
また、●●だけ食べる(キャベツダイエット・リンゴダイエット等)というダイエットをする人もいますが、ちょっと待ってください!それは正しいダイエットじゃありません。
ダイエットの成功のカギは、必要な栄養素をきちんと摂ること。
必要な栄養素を摂らないダイエットは、たとえ痩せたとしても本当の美しさを手に入れることができません。
ダイエットに必要不可欠な栄養素のNo.1はタンパク質です。
タンパク質を有効的に摂取できるのは「お肉」です。
今回はその「お肉」について正しく学んできちんと食べて理想的なボディを手に入れましょう。
ダイエット中には「お肉」が必要なワケ
なぜ、ダイエット中にお肉を食べるといいのか?まずはそのメリットをお伝えします。
ダイエット中にお肉を食べるメリット
- タンパク質が豊富
- 糖質が少ない
- 脂質が少ない部位を選ぶことで効果大
- 必要なビタミンが摂取可能
- 脂肪を燃焼させるアミノ酸が含まれている
- 満足感が高い
タンパク質が豊富
脂肪が燃えやすいカラダを作るには、筋肉を増やすこともしくは筋肉をしっかり維持することが必要です。ダイエットのためにタンパク質の摂取量を減らすと、筋量が減り、基礎代謝が落ちて痩せにくいカラダになってしまいます。そのためにもお肉を食べることが必要になります。
しっかり筋トレをしている人は、回復のためにも毎日、体重1kgあたり1.5〜2.5gのタンパク質を摂ること。筋トレをしていなくても、同じくらいのタンパク質摂取が理想です。
糖質が少ない
日本人の食生活は炭水化物多めで、タンパク質が足りていない傾向があります。ご飯やパンなどの糖質で満腹感を得るより、タンパク質豊富で糖質の少ないお肉の割合を増やすこと。ダイエットだけでなく、健康維持にも良い結果に。
脂質が少ない部位を選ぶことで効果大
肉や魚類は、貴重なタンパク源です。しかし、脂肪が豊富なものも多いので部位を選ぶことが必須事項になります。高タンパク質かつ低脂肪のものを選べば、間違いなく味方にできます。
必要なビタミンが摂取可能
お肉には水溶性ビタミンB群や脂溶性ビタミンAが含まれています。
ビタミンB群は、代謝を促すために必要な栄養素なのでダイエット中に摂取するのが有効。
脂肪を燃焼させるアミノ酸が含まれている
脂肪をエネルギーに変えるために重要な働きをするアミノ酸の一種L-カルニチンが豊富に含まれています。
L-カルニチンは、脂肪酸を運搬する働きを持っています。体内で脂肪を燃焼するミトコンドリアへ脂肪酸を運び、効率よくエネルギーに変換するために働き、エネルギー産出を行う上で非常に重要な栄養素です。この脂肪酸を運搬する働きは他の栄養素では代替ができないので、しっかり補うことが必要です。
推奨量は1日500mg以上ですが、日本人の平均的な食事では平均40〜80mgしかとれていないのが現状です。
満足感が高い
食べないダイエット(マイナスのダイエット)ではなく、お肉を食べることで「しっかり食べた」という満足感を得られます。空腹を我慢する必要がないのです。
お肉でお腹は満足するので炭水化物の摂取量を減らすことが簡単にできます。
ダイエットの際に選ぶべき部位
低脂肪の部位
脂質のとりすぎを防ぐためには脂肪量の少ない部位を選んで食べること。
ダイエット向きの低脂肪の肉
●牛肉
ヒレ肉・モモ肉赤身・ミノ・牛すじ
●鶏肉
ささみ・むね肉・軟骨・すなぎも・軟骨
●豚肉
ヒレ・もも・ロース(脂肪分をカットして減らすのがベター)
足の速い動物の肉
パーソナル・トレーナーによると「筋肉はタンパク質でできているので、足の速い動物は脂質が少ない」とのこと。すべてが当てはまるとは言えないかもしれないが、覚えておくことをおススメします。
例えば
牛肉よりは豚肉、豚肉よりは鶏肉 をチョイスしてみてください。
アミノ酸スコア
タンパク質の栄養価を示す指標を「アミノ酸スコア」と呼びます。体内で生成することのできない9種類の必須アミノ酸のバランスが良いほどスコアが高くなります。
アミノ酸スコア100の肉類は牛肉、鶏肉、豚肉
多種多様な肉
タンパク質の食材は、異なるバランスのアミノ酸の種類を持っているため、たとえアミノ酸スコアが100に満たないお肉も除外しないでください。様々な種類のお肉を摂取することで足りない部分を補い合い、バランスを保つことができます。
定番の牛、豚、鶏以外に鴨肉、馬肉、ダチョウ肉なども視野に入れること。
羊肉は比較的脂質多めなので、グリルで油をしっかり落とす工夫を。また、魚肉やソイミートなどの植物性タンパク質も仲間に入れることでアミノ酸摂取の種類の幅が広がります。
お肉の質
肉の質にも拘ることが大事です。
信頼できる、カラダに安全なお肉を食べることで、見た目だけでなく内側から綺麗になれます。
最近人気のグラスフェッドのお肉。Grass-fed文字の通り基本的に牧草のみで育ったことを指します。自然に近い環境で放牧されて適度に運動して牧草を食べているので脂肪が少なく赤みが多い肉質。余計な手間をプラスせず安心安全に育てられています。お肉を選ぶ際、どういったお肉かきちんと見て購入するとより効果が出ることになります。
ダイエット中は避けたいお肉
高脂質の肉
高脂質のお肉はダイエットには不向きです。
具体的に高脂質の肉を挙げると
●牛肉
ホルモン 腸などは口でとろける程脂質が高い
タン カロリーと脂質が高い
レバー コレステロール値が高い
●鶏肉
手羽 脂質が多い。コラーゲン摂取のためでもオススメできない
レバー 鉄分は多いがコレステロール値が高い
モモ肉 おいしい部位ながら高脂質。どうしても食べるのであれば皮は食べない、しっかり油をペーパーで拭きとるなどを心がけること。
●豚肉
バラ肉 手軽に調理できて人気だが脂質がかなり高い
豚足 コラーゲンは豊富ですがとても脂質が高いのでコラーゲンはサプリで摂取することを推奨
加工肉
ダイエットには、栄養素を吸収する腸のコンディションが重要となります。腸内細菌と相性の悪い保存料や添加物の含まれる加工肉は避けてください。
例)ハム、ソーセージ、ベーコン、サラミなど
食べる場合は極力添加物・保存料の少ないものをチェックして選ぶこと。
ベーコンやサラミは高脂質なのでそもそもダイエット中には避けることをおススメします。
エンプティ―カロリーの肉
調理済みの鶏むね肉など、手軽にタンパク質を摂取できるものが最近コンビニ等で購入できますが、実は調理過程でタンパク質やビタミンが抜けてしまう「エンプティ―カロリー」(栄養素がとぼしく、カロリーだけが存在している状態)と化しているお肉も多いので注意が必要です。
ダイエット中のお肉の食べ方のコツ
「お肉はタンパク質を豊富に摂れる」とはいえお腹がはち切れそうなほど満腹に食べるのはNGです。
ダイエットの食事の基本は「満腹にならない」量を1日5回程度に分けて食べることです。
脂肪分の少ない部位でどのくらいのお肉を1日に摂ればよいか?の目安をお伝えします。
筋トレをする人は、体重1kgあたり1.5〜2.5gのタンパク質を毎日摂ることが目安。
体重50kgの人は75g以上。筋トレをしていなかったとしても最低60g/日を目安に摂ってほしいです。
可食部100gあたりのタンパク質含有量の目安(生肉の状態で)
●牛肉
ヒレ肉20.5g
モモ肉赤身21.7g
ミノ24.5g
牛すじ28.3g
●鶏肉
ささみ23g
むね肉22.3g
軟骨12.5g
すなぎも18.3g
●豚肉
ヒレ22.8g
もも21.5g
ダイエットの食事方法については以下の記事も参考にしてみてください。
ダイエットに適したお肉の調理法と食べ方
ダイエット中にお肉を調理する際の7つのポイントを紹介します。
- 調理法
- 油を減らす工夫
- 調味料
- 野菜と一緒に
- 水分補給
- サプリメントで栄養素の補充
- スーパーフードの活用
調理法
蒸す・茹でる・グリル(網)油を使わない調理法を工夫する。
また、便利なシリコンスチーマーや紙(アルミホイル)包み焼きも油を使わないが風味が出ておいしく味わえます。
油を減らす工夫
鶏肉の皮は食べない(胸肉は皮付きのまま調理し食べる前に皮をはがすと、お肉がしっとり仕上がります。)
お肉を焼いたときなど調理中に出てきた油はペーパーでしっかりふき取るなど、調理過程、食べるとき共に油を減らすことを考えること。
調味料
焼き肉のタレや、コチジャンなどの糖質の高い調味料を避けること。
素材を生かしたシンプルな味付けがおすすめですが、物足りない時はスパイスを有効活用すると風味が出て飽きない。
野菜と一緒に
お肉がダイエットに良いからと言ってやはり「お肉だけ」はNG。野菜のビタミンやミネラルをプラスしないと代謝がうまく行われずダイエットの効果が損なわれます。
水分補給
タンパク質の吸収を高める為には適切な水分摂取が必要です。1日の摂取量の目安は体重1kgあたり30ml(50kgの人であれば1.5リットル)
サプリメントで栄養素の補充
お肉をいつもより多めに食べると、便秘気味になる人が多い。
食物繊維(とくに水溶性)を摂るために野菜やきのこを食べること。それでも足りない場合はサプリメントの力も借るのがベスト。
また、お肉にはL-カルニチンが豊富とはいえ、1日に必要な量を本当にお肉だけから摂るとどうしても脂質過多になるので、サプリで補助するのがいいと思います。
スーパーフードの活用
栄養素が豊富につまったスーパーフードをプラスすることで足りない栄養素が補えます。
キヌア、アマランサスでタンパク質を更にプラス
迷ったら奇跡の木モリンガ
万能栄養素スピルリナ
満腹感もプラスできるチアシード
など、スーパーフードを合わせて使うとより効果が期待できます。
ダイエットの味方 おすすめお肉料理レシピ
ダイエット中にぴったりなレシピをご紹介します
●低糖質自家製チャーシューダレ
<材料>
・しょうゆ 30cc
・日本酒 20cc
・水 100cc
・ラカンカ甘味料 7g
・とうがらし(輪切り) 10g
・しょうが(薄切り)10g
<作り方>
鍋で材料をひと煮たちさせます。そこに下ゆでした鶏肉や豚肉を入れ、そのまま冷ます。
甘味はラカンカなど、天然の甘味料を活用してください。ラカンカ甘味料が無い場合は、白砂糖ではなく、ミネラルなどの栄養素が豊富な砂糖をチョイスしてください。
●牛アキレスのチゲ鍋風スープ
<材料>
・牛アキレス 1kg
・唐辛子またはキムチ
・にんにく
・しょうが
・もやし
・長ネギ
・薄口しょうゆ
・酒
・ラカンカ甘味料
<作り方>
牛アキレスをよく水洗いし、たっぷりの水で一旦茹でこぼす。
煮立ったお湯に入れ、そこにニンニク、ショウガを加えて3~4時間ほど煮込みます。火がしっかり通ったらお肉を取り出し、スープを漉し、漉したスープを煮詰める。お肉は食べやすいサイズにカットする。
煮詰めたスープに白菜キムチ、もやし、ねぎなど野菜を入れて軽く煮込み、肉も鍋に戻します。
薄口しょうゆ、酒、少量のラカンカ甘味料で味を調える。
空腹のまま寝ると、カラダの回復が行われない、筋肉が分解されてしまう、などの弊害があります。
寝る前であれば、牛アキレスを煮込んだ出汁に卵(卵白だけがベター)を溶いたスープで、タンパク質をチャージしつつも胃腸への負担は最小限に抑えることができてオススメです。
●ケイジャンチキンサラダ
<材料>
・鶏モモ肉(皮なし) 80g
・ケイジャンパウダー 適宜(なければパプリカパウダー、黒コショウ、カイエンペッパー、ガーリックパウダーなどをお好みでブレンド)
<作り方>
鶏モモ肉の皮をはがし、ケイジャンパウダーをすりこみ最低1時間冷蔵庫でねかせる。
テフロン加工のフライパンか、あれば波型のグリルパンで油を使わずに鶏もも肉を焼く。
焼きあがったらペーパータオルでしっかりと脂をふき取り、食べやすいサイズにカットする。
お好みのグリーンサラダ(ケールやクレソンがおすすめです!)に乗せてお召し上がりください。
お肉にしっかりと味がついているのでドレッシングは不要ですが、どうしても・・・という人は良質なオイル(エキストラバージンオリーブオイルやアマニ油などとお好みのお酢、塩コショウで手作りドレッシングを!かけすぎには注意です。
まとめ
ダイエットというと「食べることを制限する」と思いがちですが、栄養素をしっかり摂ることを考えて食べれば恐れることはありません。ダイエットの本来の意味は「正しい食事法」です。
「お肉」はタンパク質が豊富で満足感が得られるので「ダイエット」の強い味方。今回学んだことをきちんと理解して実践すれば確実に理想のカラダに近づくことが出来る上に、リバウンドしないカラダづくりにつながります。
正しい食事法については以下の記事も参考にしてください。
パーソナル・トレーニングジムTOTAL Workoutのパーソナル・トレーナーによると「ダイエットの成功のカギは食事9運動1」だそうです。
全ての食事を手作りするのは難易度が高いですが、市販品を上手に活用するのも手。ただし「添加物」は良くチェックして、カラダによいものを選ぶようにしましょう!
カラダづくりのプロであるパーソナル・トレーナーが考案した、化学調味料・合成着色料・香料を極力使わず、カラダづくりや健康に欠かせない栄養素が詰まった美味しく手軽に食べられる肉料理もチェックしてみてください。
見学裕己子
(株)elena代表取締役 ライター
結婚、出産を経て、光文社「VERY」でライターとして活動開始。その後「STORY」「HERS」編集部にてファッション、インタビュー、旅、ライフスタイルの取材を行う。ライター歴22年。アラフィフ世代のウェルビーイングについて取り組みたいと2021年3月(株)elenaを立ち上げ。イベントのプロデュースのほか健康関連のサイトでディレション、取材や記事作成を行なう。健康管理士1級指導員の資格も取得。