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筋肉に真摯に向き合い続ける|究極で正しいウエイト・トレーニングを継承する吉田雄彦

ウエイト・トレーニングに興味を持ち始め、自身で買ってきた本を参考にしながら16、17歳の頃からトレーニングをスタートしたというパーソナル・トレーナー吉田雄彦。

45歳になる現在までに解剖学や運動生理学を学び、自身のトレーニングで得た知識や失敗から学んだ改善策などをしっかりとクライアントや後輩に伝えたいという実直な精神の持ち主です。

男女問わず大切なのは迷わず「筋肉」と答え、空気を吸うのと同じぐらいにウエイト・トレーニングをしているトレーナーだと噂されるほど、誰よりも真摯に筋肉に向き合う吉田トレーナーの信条を紐解きます。


取材・執筆:金沢由紀子
エディター/ライター/(株)elena代表取締役


トレーナーになろうと思ったきっかけ

トータル・ワークアウトに入ったのは20年以上前。創設期のメンバーの一人である吉田雄彦トレーナーがこの道に入ったきっかけとは?

吉田雄彦トレーナー(以下、吉田トレーナー)「高校卒業後、警察官志望で某大学の法学部に入学したものの、当時、県警の汚職ラッシュだったので目指す世界とは違うのではないかと迷い始めていた時に、雑誌で元スーパーヘビー級、MMAの高阪剛さんとケビン山崎の対談記事を読んだんです。高校時代から自己流ですが試行錯誤しながらトレーニングを開始していたので、将来の姿に重なりました。

その後、現在の代表、池澤智がトレーナー養成学校で学んでいた私たちに指導しにきてくれたのをきっかけにシアトルへ渡り、トータル・ワークアウト日本一号店の立ち上げに携わりました。」

――高校時代、大学時代すでにトレーニングを開始していたんですね。

吉田トレーナー「そうなんです。パーソナル・トレーナーの存在を知らなかった頃はジムで、独自でトレーニングしていました。当時から自らが実験台。私のメソッドは経験に基づいたものなんです」。

「筋肉量」が人生を制する

吉田トレーナーに、トレーニングを指導する中で最も大切にしていることを聞いてみました。

吉田トレーナー「クライアントはさまざまな目標があります。
アスリートのパフォーマンスアップ
シェイプアップ
シュワルツネッガー氏のような筋力が欲しい(10代の頃のわたしの願望でした)
あるいはQOL、日々の生活能力を上げる
70代、80代以上の方は自分の脚でいつまでも歩けること。

それのどれをとってもはっきり言って「筋肉量」が大切。常に筋量をアップさせなければならないんです。寝たきりになると筋量は1日1%落ちていくんですから。いつまでも不具合の出ないカラダづくりが目指すところです」。

人一倍繊細なアプローチ

――吉田トレーナーが大切にしている3要素について教えてください

吉田トレーナー「トレーニング・食・ボディケアです。カラダに関する情報や研究の更新はめざましいですが、この三本柱が変わることはありません。

意外と見過ごされがちなのがボディケアですが、ジムでトレーニングしている時に筋肥大するわけではなく、休息と回復を経て筋肉が成長するんです。睡眠を十分に取っていなかったり、休息を疎かにしてしまう方が多いんですが、絶対にそれは避けたいこと。カラダが摩耗して、カラダが悲鳴を上げる結果につながります。私自身、それが原因で怪我をしたことも…怪我のない強いカラダが土台です。」

怪我のない強いカラダが筋肉量を効率的に増やすために欠かせないことだと言い、吉田トレーナーは更に続けます。

吉田トレーナー「歩き方を見ればカラダの使い方は一目瞭然。左右差やカラダの弱点がすぐに表れます。そこを根本的に正さないと、筋肉量は増えづらいですし、何よりもカラダが人生に生きてこない。魅せるカラダだけでなく、使えるカラダじゃないと仕事にしろ趣味にしろ人生楽しめないですからね。そこでパーソナル・トレーナーの指導と本人の意識に加え、トータル・ワークアウトでは専任のアスレチックトレーナーと我々パーソナル・トレーナーが連携することでコンディショニングを根本的に正していくんです」

吉田トレーナーといえばヘビーウエイトで追い込むような、一見体育会的なトレーニングを想像する人もいるかもしれないが、その実トレーニングのアプローチは人一倍繊細。それを理解し、長年吉田トレーナーとトレーニングを続ける女性のクライアントも多い。

吉田トレーナー「筋肉をつける際に念頭におくのは常に『バランス』です。女性で筋肉を付けることを嫌がる方もいらっしゃいますが、全体的なバランスを考えて筋肉をつければ断然きれいなラインになります。たとえば脚の付け根に筋肉をつければ、下にいくにしたがって細く見えて美しいラインになる。肩や背中も、筋肉を大きくすると言うよりはトレーニングを通じて正しいポジションや使い方を習得することですっきりと伸びやかなカラダの動きになりますし、呼吸すらかわります」

吉田トレーナー「さらにインナーマッスルを上手に使いながらトレーニングをすることでカラダのバランスは整っていくものなので、正しいフォームを人一倍大切にしています。歩く、走るといった日常的な動作をとっても、インナーマッスルを上手につかって脚の付け根やお尻に連動させる。これが出来ないと、膝に負担がかかったり『ふくらはぎが太くなるから運動はいや』なんて誤解を招くことになるんです」

栄養素について語らせたら止まらない

吉田トレーナーの現在の食に対する考え方の原点はシアトルへ渡った20代での経験にあると言います。

吉田トレーナー「シアトルに行ったのは25年ほど前ですが、トレーニングしている彼らのカラダはとても大きくて衝撃を受けました。何よりもそのカラダづくりの基本は食にあると目の当たりにしたんです。例えば日本人は鶏肉だったら200g程度を食べるのが普通かもしれませんが、彼らは信じられないほど大きなチキンブレストを2、3枚食べているのです。これがカラダづくりの違いだと。そこで私もタンパク質摂取を心がけるようになりました。」

トータル・ワークアウトの「WHEY FLEX PROTEIN PREMIUM」を開発する際、代表の池澤智が真っ先に意見を聞いたのが吉田トレーナーだと言うほど、トレーニング効率にまつわる栄養素やサプリメントに対する造詣はトータル・ワークアウトの中でもトップクラス。肉料理の腕前もプロ並みだとか!?

吉田トレーナー「私自身が食べやすいように作っていたら料理が得意になっていたんです(笑)。常にタンパク量を考えて食事をしているので、朝は豚や牛肉、ランチは冷えても美味しい鶏胸肉が多いです。消化吸収させるために糖質や脂質のバランスや、腸内環境を整えることも大切だとクライアントには食の話もしっかりさせてもらっています。せっかくトレーニングをがんばっているのに、食事への配慮がなかったり、間違った知識で続けてしまってはもったいないですから」

吉田トレーナーは栄養素に関する知識と経験を元に、トータル・ワークアウトが医療機関とコラボし、クライアントのカラダの現状や目的に応じた最適なサプリメントをデザインしてお届けするサービス「マイサプリ」の責任者を務め、後輩への勉強会や、クライアント向けのサプリメントセミナーに従事しています。

– 社内でも定期的に勉強会を主催し自身の知識を後輩トレーナーに伝えている –

吉田トレーナー「今はネットでもSNSでも、カラダづくりにまつわる食や栄養素の情報が溢れていて、何が正解か?何が自分にとって必要か?見極めるのが非常に難しくなっていると感じます。トータル・ワークアウトにくれば本当に必要な情報や商品そのものを手に入れることが出来る、という安心感を与えられる場であるべきだと思っています。ひとりひとりの目的に対して本当に必要なものしか勧めたくないので、必要ないと思ったら『それは〇〇さん向きじゃないから買わなくていいです』とはっきり言います」

渋谷店副店長として伝えていきたいこと

副店長としてトータル・ワークアウト渋谷店を束ねる吉田トレーナー。副店長に抜擢された経緯をきいてみると
「本来、適任者は他にもいるはずだしプレーヤーでいたい人が多かったんですかね(笑)」と謙遜しつつも、
「私が経験してきた知識、特にウエイトの技術を継承できたら」と語ってくれました。

後輩へ継承したい知識について、さらに聞いてみました。

吉田トレーナー「やはりコンセプトは怪我をさせず、結果を出すこと。これをブレずに実現できるパーソナル・トレーナー達をより多く輩出していきたい。メニューは変化・更新させながら、これくらいの期間でこんなカラダを作れるという道標を明示し、クライアントの信頼を獲得していきたいですね。そして継続してもらえる仕組みづくりを盤石化して、後輩たちにも継承できたらと思います」

後輩トレーナーたちと仕事終わりにトレーニングすることもあると言う。

– たっぷり2時間 時にはそれ以上、切磋琢磨しながらカラダを追い込む –
– 年齢や筋肉量だけでない、カラダの使い方の重要性をまざまざとみせつける吉田トレーナー –

吉田トレーナー「そうなんです。私のメソッドを共有したいし、自分一人でなく皆で刺激し合いながらトレーニングすることで、一人では気づけないような発見もあります。トレーニングに関する知識や経験は人一倍積んできて自信はある。だけど、もっと知りたい、進化したいという気持ちは20年前と変わらないし、今の年齢、今の自分だから感じられることがあるので、トレーニング理解を深め切磋琢磨する時間は大切です」

吉田トレーナーを始めとする強靭なトレーナー達のウエイト・トレーニングの様子は圧巻の気迫。こんなに辛いトレーニングをして、こんなにさわやかな笑顔が飛び出すとは…トレーナー達のカラダづくりに対する情熱がつたわってきて、一緒にトレーニングをするならこういう人たちとやりたい!と思いました。

後輩の女性パーソナル・トレーナーによると、自身の妊娠中に吉田トレーナーからのアドバイスで行ったトレーニングが出産時に非常に役立ったと言います。

吉田トレーナー「私の妻も元パーソナル・トレーナーなんですが、出産の際の力の使い方は正にワイドスタンスのレッグプレスそのものだと言っていたので、後輩トレーナーが産休に入る前はワイドスタンスレッグプレスを勧めました。産後『雄さん、やっぱりレッグプレスやっておいて良かったです!』と言っていたから、彼女の実体験が今後また別のトレーナーやクライアントに生きてくれば嬉しいですね。
パーソナル・トレーナーという職業は一般的には個人事業主の立ち位置ですが、約80名ものパーソナル・トレーナーが在籍しているトータル・ワークアウトでは、個人でなくチームの力で高めあえるのが強みなんじゃないでしょうか」

経験値のアップデートは一生つづく

最後に、吉田トレーナーの今後のトレーニングビジョンについて聞いてみました。

吉田トレーナー「トレーニングはライフワークとして一生やり続けていくつもりです。60歳ぐらいまで、今と同じ程度の重さを上げられることが目標ですが、そろそろ様子を見ながらやっていこうかな、という歳には差し掛かっています。開発にも携わっているサプリを上手に取り入れるなど、歳を重ねることで工夫するという学びも大きい。まだまだ自身を用いた実験と共有は続きます」

ご家族は20歳と18歳のお子さんとトータル・ワークアウトで出会った元パーソナル・トレーナーの妻。あと2、3年がんばれば教育費も落ち着き、稼いだ分は自身に投資できる、と。仲良し家族だそうで、「将来は旅行にもみんなでいきたいですね」笑顔で話してくれました。


吉田 雄彦/TAKEHIKO YOSHIDA

TOTAL Workout 渋谷店 副店長

パーソナル・トレーナー歴24年(2025年現在)
トータル・ワークアウト日本1号店(三田店)の創設メンバーとして20年以上、延べ40,000セッション以上のトレーニングに携わる。 短期集中で追い込みたい!限界を突破したい!というクライアントから「吉田塾」と慕われる一方で、サプリメントの造詣が深く、カラダを内側から整えるきめ細やかな指導に定評あり。

トータル・ワークアウト渋谷店>>https://totalworkout.jp/shibuya/

トータル・ワークアウトのパーソナル・トレーナー吉田 雄彦

吉田トレーナーにまつわる記事は以下よりご覧ください。

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金沢 由紀子

エディター/ライター/(株)elena代表取締役。 数々の女性誌でファッション、美容、インタビューなどを担当し、人生100年時代のウェルビーイングを追求するelenaを起業。記事制作、PR、モノ・コト・ヒトにまつわる企画・立案などを担当する。現在、女性起業家、フリーランスを応援する「NEXT STAGE アワード」をプロデュース中。

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