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TRAINER'S ROOM

本質を追求する|前川洋子がクライアントに寄り添い、自身をブラッシュアップし続ける理由

学生時代の10年間テニスに打ち込んできた前川洋子トレーナー。

当時にしては珍しく運動力学や科学的な分析をトレーニングに取り入れた環境で、ある時メディカルトレーナーが招致され、その考えに触れた時「正しいトレーニングすることでスポーツをするカラダのベース作られる」と理解できたと言う。

早くからこういった経験ができたことで、選手ではなくアスリートのサポートをすること、さらには正しいトレーニングを通じて健康に長く生きられる人々を増やしたい、というビジョンが明確になったそう。

しなやかなイメージながら、話を聞くと自分に厳しくストイックな一面が垣間見える前川トレーナー。自身が納得できるトレーナー像を目指して、今なお切磋琢磨する印象的な姿を紹介します。


取材・執筆:金沢由紀子
エディター/ライター/(株)elena代表取締役


良質なものを知るクライアント

前川トレーナー「私のクライアントは女性が多く、流行に流されることなくご自身でトータル・ワークアウトを選び、パーソナル・トレーニングをしている方がほとんどのような気がします。

表面的な変化よりも将来の結果を見据えてトレーニングに取り組んでいらっしゃるので、私がトレーナーになったばかりの頃から19年間、通い続けてくださる長いお付き合いの方も多くいらっしゃいます。

良質なものを知り、表面的な美よりも機能美を求めるクライアントが多いので、私自身も常に知識や技術を更新していくよう心がけています。もちろんそれは大変だと思うこともありますが、分かれ道に差し掛かった時には茨の道を選べるようなタフさを持っていたいんです。」

クライアントの“なりたい姿”や“大切にしていること”に対する感度が人一倍高い前川トレーナー。雑談をしていたとしてもクライアントの情報をインプットし、その人に必要だと思われる自身の知見をなるべく共有して、“なりたい姿”や“大切にしていること”に繋げてもらいたいと思っているそう。

前川トレーナー「前川とやるのが得策!と思っていただけるアプローチを意識していますが、それは、時にストレートなことも。だからか『笑顔で厳しい人』と表現されることも(笑)。」

生まれ変わったらアメフトのQBになりたい!?

パーソナル・トレーナーとしての醍醐味を感じるのは「トレーニングをコーディネートする時」だと語る前川トレーナー。

前川トレーナー「トータル・ワークアウトのパーソナル・トレーナーは、変わらぬ基本を持ちながらも、各々得意分野をもったトレーナーが集まっています。複数のトレーナーでチーム編成し、クライアントの目指す目標への最短の道を作り上げます。それが達成された時に限りない喜びを感じます。

受け取り手であるクライアントだけでなく、トレーナーの力がそれぞれの分野で最大限に発揮できたということで、つまりはスタッフの育成やポジショニングにも成功したことになりますから。

そうやってチームでクライアントの人生密度を濃くするお手伝いができたらと常に願っています。生まれ変わったら、テニスではなく、アメフトのQBとして司令塔になりたいです(笑)」

ミス・ユニバース・ジャパン セミファイナリスト達のボディメイクを指導する前川トレーナー

前川トレーナーの思い出のひとつに、長く通ってくださっているクライアントのお父様が末期癌になられたことがありました。その際にトータル・ワークアウトがコネクションを持つクリニックを紹介、さらに転院でき、「娘として最大限のことができた」とクライアントから感謝の言葉をいただいたことがあったそうです。

前川トレーナー「トータル・ワークアウトは、ジムでトレーニングをするだけでなく、ジムをタッチポイントに、それぞれの分野のトップクラスの人物やコンテンツとコネクションがあるため、それらをご紹介できたこと、納得した選択をしていただけたことが私自身の幸せにもつながりました。

最後までトータル・ワークアウトに通っていて良かったと思ってもらえるように奮闘したいですね。」

向き合う・進む・巡るという循環

自身は、トータル・ワークアウトで最も普通のトレーナーだと、前川トレーナーは言います。
普通だからこそ、クライアントから教わり、気づかされたことで「今ある姿」を築くことができたのだと。

前川トレーナー「例えば、腰痛もちだったクライアントに楽になってもらうにはどうすれば良いのか?を考え、カラダの細部を知るためにピラティスに出会い、資格を取りに行きました。ピラティスを実践してもらい、腰痛改善だけでなく、ウエイト・トレーニングを続ける上でのより良い結果になったことがあります。

この経験が物語るように、クライアント一人一人に寄り添いベストな改善方法を丁寧に探り、導くことこそが、自分自身へのチャンスであり、理想の前進の仕方。」

ちゃんと向き合っていけば物事は前に進み、つながっていく。と前川トレーナーは考えます。

前川トレーナー「自分にとっての心地よい状態は『巡っている』こと。血流も、トレーナーとしても、プライベートでも。巡っていることが重要で、滞ったら死んでしまいそうです。そのために、目の前のことに向き合い・進み・巡るといった循環が必要なんです。」

本質から整えることを気づかせてくれた人

健康も美容も「本質的に良くするアプローチ」を大切にしているという。

トレーニングであれば前述の通り、ピラティスなどインナーからのアプローチを重視し、肌や髪、爪もベースにこだわりを持つ。食であれば、食事の通過地点である腸から整え、食を受け止めるベースを作るところからアプローチするという徹底ぶり。

これらはクライアントに向き合う中ではぐくまれたとともに、トータル・ワークアウト代表池澤智の影響が多大だと言います。

前川トレーナー「課題や疑問にぶつかった時、自ら解決しようとする姿勢はもちろん大切。ただ、振り返ると私の疑問を常に具現化してくれたのが、智さん。先日も、腸ケアをつきつめるため、一緒に泊りがけのファスティングに行ったり、自分たちのカラダで人体実験を繰り返しています。」

近年取り組んでいるトレーニングは骨盤底筋を整える「ぺルヴィック・プログラム」というもの。

前川トレーナー「友人知人から尿漏れの話を耳にしていたものの、わたし自身は日々カラダを動かしていたので、あまりピンとこなかったのですが、コロナ禍でジムをクローズせざるを得なくなり、1ヶ月間在宅勤務で座る時間が圧倒的に増えた結果、便秘や腰痛、骨盤底筋の緩みを実感しました。

私のクライアントも座り続けている方が多いので、予防・改善のためにはまずは学ぼう!と、骨盤底筋エクササイズの資格を取得。年齢が上がっていくと臓器脱の話も耳にするので、私が学んだことをトレーニングとともにしっかりと皆さんに伝えていきたいと思っています。

寿命が伸びた分、自分のカラダを自分で動かせる、快適で生産性の高い時間を多く持ちたいですからね。」

前川トレーナーのワーク・ライフ・インテグレーション

自分の時間を持てているのか?と心配になるほど多くの業務をこなす前川トレーナーの趣味の時間について聞いてみました。

前川トレーナー「1週間から10日に1度、ネイルサロン『ロングルアージュ』で爪の手入れをしてもらっています。ネイルはマニキュア派。爪を土台から良くしてくれるサロンなので信用していて。美容院も同じように髪と頭皮を改善してくれる場所に行っています。

『爪を手入れしていなかったら病んでるってことよね』とクライアントから揶揄されたことがあるくらいのこだわりです(笑)。

また、良いものに触れたいという思いから20代から自己投資をしてきました。

良いものを知らないと目の肥えたトータル・ワークアウトのクライアントにマッチするモノやコトを提供できませんから。今では新しく良質なモノと出会ったら真っ先にクライアントに話したくなりました。さらにそれが、話したクライアントの好みにハマったら益々幸せを感じる瞬間です。」

趣味といえば、最近は調理器具や食器を揃えることに興味のベクトルが行っているそうです。

前川トレーナー「先日は有元葉子さんのまな板を2枚も買いました! 台所用品についてはまだまだ初心者。詳しい方から情報を収集しながら好きなものをチョイスしていて気づいたのは、私にとって重要なのは『機能性』だという事。モノ選びもカラダも同じです。見た目の美しさももちろん大切ですが、機能性と質にこだわってそぎ落としていくと、結局は見た目の美しさが表れるのかな、と。

以前は、仕事とプライベートを区切ろうと意識していましたが、こういったプライベートで関わる経験を仕事にフィードバックするのが楽しくて。もはやそれが趣味かもしれません。仕事もプライベートもどちらも繋がりがあって私のライフスタイルが出来上がっているのだと思います。」

今後のビジョンについても聞いてみました。

前川トレーナー「今、関わっているクライアントの方々を『きちんと最後までお任せください!』と宣言したいです。代表である池澤の横でずっと歩んできたので、アシスタントとしての立場から、もっと自分というものを確立していかないといけないと思っています。」

次なるステージへの岐路に立たされた前川洋子トレーナーが選ぶ茨の道は、すでに彼女の頭の中にあるように、まっすぐと語ってくれました。


前川 洋子/YOKO MAEKAWA

TOTAL Workout 六本木ヒルズ店 副店長

パーソナル・トレーナー歴19年(2024年現在)
第一線で活躍する女優をはじめとする著名人の顧客を多数持ち、年間2,000以上のセッションをこなす。ピラティスへの造詣が深く、骨格レベルから整えるカラダづくりや、トレーニングに限らぬウェルネスへの幅広い知識をもとに「自ら気づく、自ら整える」スキルを手渡すトレーナーとして、信頼の厚いアドバイザー的存在。

トータル・ワークアウト六本木ヒルズ店>>https://totalworkout.jp/roppongi/


前川トレーナーにまつわる記事は以下よりご覧ください。

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金沢 由紀子

エディター/ライター/(株)elena代表取締役。 数々の女性誌でファッション、美容、インタビューなどを担当し、人生100年時代のウェルビーイングを追求するelenaを起業。記事制作、PR、モノ・コト・ヒトにまつわる企画・立案などを担当する。現在、女性起業家、フリーランスを応援する「NEXT STAGE アワード」をプロデュース中。

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