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TRAINER'S ROOM

385LB|小野善行のベンチプレス

鉄のオリンピックバーがしなる程の重量を、静かに、力強く、持ち上げる。肉の塊のような佇まい。

小野善行トレーナーを見たことがないというお客様も、その存在を噂には聞いたことがあるのではないでしょうか?

私が入社したその日「今日から彼が指導員のブラザーです。」と小野トレーナーを紹介をされ、これからどんな地獄の日々が待っているのだろうか?今持っている服は全部入らなくなりそうだな。と覚悟を決めた事を今でもよく覚えています。(実際は一回も怒られたことがなく、何でも聞いてくれる優しい先輩でした。)

本気のベンチプレス

小野トレーナーの本気のトレーニングシーンは非常にレア。

自主トレーニングの際に扱う重量が重すぎて目立ってしまうからか?私がトレーナーとしてトータル・ワークアウトに在籍している16年間、彼がフロアで本気のトレーニングをしている瞬間を、1回見た事があるかないか、というくらいです。

そんな小野トレーナーに、本気のトレーニング姿を見せて欲しい!とリクエストしてみました。ウエイト・トレーニングの挙上量アップ、ボディメイクに思い悩んだ際、少しでも皆様の参考になれば幸いです。

今回のテーマは『ベンチプレス』
ベンチプレス一つとっても、小野トレーナーは事前準備から何から、多くのこだわりを持っています。

ちなみに、この日のトレーニングであげたのは385LB(約175kg)ですが、肘の不調がなければベストは約200kgまで上げるポテンシャルを持つ小野トレーナーです。

ウエイト・トレーニングとの出会い

ベンチプレスに対するこだわりを紹介する前に、小野善行がパーソナル・トレーナーになるまでのルーツを振り返ってみます。

本格的にトレーニングを始めたのは高校時代。柔道部在籍中、カラダの補強の為にトレーニングを始めたのがきっかけです。

小野トレーナー:「高校2年生だった当時は、20kgのバーのみでもベンチプレスでフラフラしていた程で、大学生の頃にようやく70㎏から80㎏が挙がるようになってきました。」

志水:「トレーナーを目指すきっかけは?」

小野トレーナー:「柔道部のストレングスコーチが『ケビン山崎というプロアスリートを指導するトレーナーが居るらしいよ。』と教えてくれたことがきっかけとなり、意識してみると、雑誌やTVで魔裟斗選手、清原選手のトレーナーとしてケビン山崎の名を目にするように。このあたりから俄然興味が湧いて、トレーナーを目指すことになりました。」

結局一番大切なのは・・・

小野トレーナーのウエイト・トレーニングのこだわり、とくにベンチプレスについて聞いてみました。
こだわりポイントは大きくあげて3つ。

まずは、1回1回、毎回のトレーニングでの成長。重さは数値として絶対的なものなので成長の指標とし、少しでも重たいものが挙げられるよう頑張っている。

そして2つ目は怪我をしないための事前準備。
ベンチプレスは特に怪我を誘発しやすい種目なので、負担がかかる肩・首・肘・手首・腰は、硬くなってないか、詰っていないか確認し、出来るだけほぐして準備をします。

最後に、
細かな技術は挙げ始めたらきりがないのですが、それよりも最も大事なのは、「出来ないかも」と絶対思わないこと。
小野トレーナー:「『絶対挙げてやる。』という強いメンタルで取り組んでいます。結局最後は気持ちだと思うんですよね。」当然ですよという雰囲気で笑う小野トレーナーです。

あげればキリが無いという技術面のこだわりについても、出来るだけ紐解いてみます。

<呼吸>

小野トレーナーはこの大きなカラダながら、トータル・ワークアウトのトレーナーの中でも1、2を争う位、柔軟性の高さを誇るトレーナー。ヨガに取り組み始めてから、呼吸の大切さに気付き、筋肉の意識が高まったとのこと。

小野トレーナー:「しっかりと吐いて、目一杯吸いこんで、全身の細胞に酸素を行き渡らせるイメージで呼吸をすると、胸郭が開き、アーチがより高くなります。そこから、呼吸を止めて腹圧を高めてから挙上する。色々なことが意識しやすくなるので、呼吸を大切にしています。」

呼吸への意識を高めて以来、明らかに怪我が減り、挙上量も上がってきているそうです。

<足の位置>

腹圧を高める為に、足幅は狭めに設置。幅が広すぎると腰が反りやすくなってしまうからです。

腰は反らずに胸椎だけを伸展させるためには、足幅は狭くし、内転筋、ハムストリング、殿筋を締めて、腹圧を高めます。足の裏全体で踏ん張る意識が非常に重要。足の指は踏ん張らず、あくまで足の裏全体。

小野トレーナー:「足の指で踏ん張ると腹圧が抜けやすい感覚があるので『足の裏と肩甲骨でしか重さを支えていない』という感覚でベンチプレスのセットアップをしています。足を置く場所自体は、自分のカラダの硬さと相談し、これ以上足を頭の方向に近づけたら腰が反ってしまう、というギリギリのライン。パワーを垂直に、一気に爆発出来る場所に置く事をこだわっています。」

<腰椎はフラットに>

腰の伸展・回旋はせず、腹圧を高めて、締めて、硬くして、どんな重さが掛かっても、たとえどんな事が起きたとしても、耐えて腰椎は出来るだけ反らずにフラットにする。胸椎だけを目一杯反らせて、そこに酸素をドンッと入れる。

小野トレーナー:「肩甲骨がグッとはまって肩が下がったら全身にパワーを入れていく。酸素を入れていくイメージです。」

<背中と体幹で支える>

バーをラックから持ち上げる時は、菱形筋、前鋸筋を意識し、胸を張ってアーチを作ります。手でバーを持ってくるのではなく、胸を張ることでバーが外れてくるイメージ。

肩、腕はほぼ使わず、背中、体幹で支えている感覚です。

小野トレーナー:「持っている手は、真っ直ぐよりちょっとだけ寝かせて、親指の付け根に乗せています。あまり握らないイメージ。その延長線上に背中が来ることをイメージしています。これを意識出来ないと肩を痛めてしまうことが多いと思います。」

静と動 繊細さと躍動感のコントラスト

高重量を扱うとなると、どうしても勢いや激しい出力をイメージしがちだが、小野トレーナーのベンチプレスは力強さの中にもどこか静寂や丁寧さが漂っています。これも小野トレーナーのこだわりや意識の賜物なのでしょうか?

小野トレーナー:「激しく勢いまかせで行うと腹圧が抜けやすく、関節など色々な箇所に負担が掛かり過ぎてしまう。だから、筋肉を一つ一つ意識して丁寧に行っています。若い時は少しでも重たい重量を挙げたい一心だったので勢い任せに激しく挙げている時代もありました(笑) その分今より怪我が多かった…。ちゃんと筋肉を使って重さを挙げられているな、と実感できる今の方が、筋肉の成長、見栄え、付き方は圧倒的に良いと感じています。」

ちなみに、ベンチプレスで重さをあげたいのでトレーニングの際はベンチプレスを最初に行う種目にし、3~8回出来る重さを3~7セット。腹圧が抜けないこと、体勢が崩れないことを優先にしつつ拳上速度の向上を意識するのが小野トレーナーの基本です。

志水:「今後こうなっていきたい、などトレーニングの方針はありますか?」

小野トレーナー:「怪我なくずっと、生きている限り健康にトレーニングをする。それをトレーナーとして、経験としてお客様に伝える。自分で人体実験をして頑張っていく。これに尽きます。」と即答。

1グラムでも多くあげたいという情熱

ここから更に重さをアップさせていきたいという野望があるのだろうか?率直に疑問をぶつけてみると・・・

小野トレーナー:「昨日よりも1ミリでも成長し、1グラムでも重たいものをあげたい、ちょっとでも感覚を良くしたい、とずっと思っています。常に成長、進化をしていくことを心がけています。そして、その経験を、お客様、トレーナーの仲間達とも共有して、一緒に成長していきたい。」

志水:「1グラムでも上げたいという思いは今も尚持ち続けているのですね。」

小野トレーナー:「勿論!それは常に思ってる。」

小野トレーナーは今もなお1週間の内、4~6日トレーニングをしているそうです。
1日1部位。トレーニング時間は、少ない時で30~40分、平均的には1時間~2時間。
過去、長い時は1部位を5時間~5時間半かけてトレーニングしている頃もあったそうです。(10年位前の話ですが、一般常識や効率という視点ではなく10~15セット限界で行っても疲れないのでやめる必要がなかった結果5時間半実施していたそうです。)さすがに5時間半追い込んでも結論的にあまり成長できないことを実感して、そのようなアプローチはやめたようですが、今でも続ける過酷なトレーニング、嫌になることはないのでしょうか?

小野トレーナー:「嫌とかそういうことは全くないですね。確かに、トレーニングがノルマのように感じている時もあるにはありましたが、ヨガを始めてカラダの声を聴くようになったことで変化を感じています。カラダ的にフルパワーでやれないと思ったらやらない。トレーニングを行うかどうかは気持ちで判断せず、カラダと対話して判断します。やれるなら100%で行う、難しいならばストレッチや栄養補給などの回復に力を入れて整えた後に出直します。とはいえ、前提としてカラダがそういった状態に陥らないための準備やケアに日々力を注いでいます。」

今は週に1回、1~1時間半ヨガを行い、バランスやカラダの調子を確認・調整しています。

栄養面ではトレーニング前にエネルギーをパンパンにしておく。
2時間~2時間半前に米2合。たんぱく質40~60グラムを摂取。
トレーニング直後はプロテインとグルタミン。
1時間後位には、米2合、タンパク質60グラムを摂取。

米+タンパク質の食事を3~4時間ごとに摂取しています。

私が小野と出会ってから16年。
一瞬たりともブレずにトレーニングと向き合う姿は、プロフェッショナルという言葉がよく似合うと思います。昨日より1ミリでも成長したい。1グラムでも重さを上げたい。その為なら、どんな努力でも行う。小野の核心はここに尽きるのかなと思います。

インスタグラムに、ベンチプレスを行っている様子をアップしていますので、ぜひ参考になさってください!

TOTAL Workoutのオフィシャルインスタグラム>>https://www.instagram.com/totalworkout_official/

今まで小野トレーナーに怒られたことがないと冒頭で言いましたが、書いているうちに1度だけ怒られたことを思い出しました。

風邪っぽさを訴えたところ
「スクワットが足りていない!代謝が悪いからじゃないのか?!」と叱咤激励する小野トレーナーと一緒にスクワットをして、奇跡的に体調がV字回復した、という記憶です。


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小野 善行 /YOSHIYUKI ONO

TOTAL Workout 六本木ヒルズ店 パーソナル・トレーナー

パーソナル・トレーナー歴22年(2023年現在)
ベンチプレスで200kg挙げるポテンシャルと、トータル・ワークアウトで1、2を争うカラダの柔軟性を兼ね備える、カラダづくりの哲学者。数々の大会で結果を出すも、それに甘んじず進化し続ける姿が多くのクライアントを惹きつけてやまない。トレーニング上級者でも必ず新たな気づきを得られる、強くしなやかなカラダとココロの持ち主。

トータル・ワークアウト六本木ヒルズ店>>https://totalworkout.jp/roppongi/

トータル・ワークアウトのパーソナル・トレーナー、おのよしゆき
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KOJI SHIMIZU

KOJI SHIMIZU

パーソナル・トレーナー歴 17年

トータル・ワークアウト渋谷店 店長であり、トレーニング開発課マネージャーも務める、パーソナル・トレーナー志水浩二。Trainer's Room編集部の中心となりトレーナー目線でトータル・ワークアウトのカラダづくりにまつわる事柄をお伝えします。

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