筋トレ前のストレッチは準備運動という目的だけでなく、筋トレ効果を高めるために必要不可欠。筋トレ後のストレッチもまた、回復力を高めることで、筋トレの頑張りを成果に変えるために有効です。目的により異なるストレッチのタイミングや、やり方を紹介します。
ストレッチをうまく取り入れることで筋トレの効率を高める、怪我や筋肉痛を予防するだけでなく、生活の質向上にもつながります。この記事を最後まで読んで、正しいストレッチをあなたの筋トレに取り入れてください。
筋トレにストレッチを取り入れるメリット
筋トレにストレッチを取り入れるメリットは大きく分けて2つ。筋肉の柔軟性向上と関節可動域拡大により正しく効果的な筋トレが出来るようになることと、疲労した筋肉のクールダウンや疲労回復による筋肉の成長促進です。ストレッチのやり方には「動的」「静的」の2種あり筋トレに組み込む際の順番や目的により使い分けます。
筋トレの前と後どっちにストレッチすればいい?
トレーニング前?後? いつやればいいのか?
動的ストレッチと静的ストレッチの違いとは?など、タイミングや、やり方について解説します。
筋トレ前におすすめの動的ストレッチは、文字通り動きを伴うストレッチ。筋肉を刺激し、交感神経を優位にして血流増加・体温上昇させる効果があり、ウォーミングアップに最適です。
一方、静的ストレッチは反動をつけずゆっくりと筋肉を伸展させるストレッチ。疲労回復を促したり、高まった神経を鎮め副交感神経を優位にします。筋トレ後や寝る前におすすめです。
効果について、以下でもう少し詳しく解説します。
【筋トレ前】血流アップ・怪我防止
筋トレ前に動的ストレッチで筋肉内の温度を上げ、可動域を広げておくと怪我の防止につながります。
ストレッチ以外でも、これから行う種目を軽めの重量で可動域を大きく行うことで同様の効果が得られます。
たとえばベンチプレスをするなら、軽めのダンベルで可動域を大きく使って、ダンベルベンチプレスを行いましょう。カラダや筋肉が温まってきたら、本メニューに入ります。
【筋トレ前】柔軟性・関節可動域の向上
運動前の動的ストレッチで、筋・関節・神経系を刺激し関節可動域を広げる、腿裏やカラダの側面の柔軟性を上げると、正しいフォームで正しいトレーニングが出来るため、筋肥大・痩せるなど、目的別の成果を得られやすくなります。
【筋トレ後】クールダウン
筋トレによって交感神経が活発になったカラダを、静的ストレッチで副交感神経優位に切替え、筋肉をクールダウンして休ませましょう。
【筋トレ後】疲労回復
筋トレ後は筋肉に疲労物質が多く含まれる血液が滞留しています。静的ストレッチで酸素を多く含んだ新鮮な血液を送り込むことで、疲労物質が取り払われ、疲労感やむくみが軽減しやすくなります。
疲労回復の具体策については、以下の記事をご覧ください。
【毎日】肩こり腰痛の予防・改善
筋トレ前後でなくても、ストレッチは日常的に行うことで、関節可動域やカラダの柔軟性が維持・改善され正しいトレーニング、効率的なトレーニングに結びつくだけでなく、血流アップによる肩こりや腰痛、冷えや浮腫みの改善に効果的です。ラジオ体操感覚で毎日取り組んだり、筋トレをしない日のアクティブレスト、仕事の合間のリフレッシュにもお勧めです。
寝る前は静的ストレッチがよいでしょう。それ以外の時間帯は、活力を得たい場合は「動的」、リラックスしたい場合は「静的」と使い分けましょう。
正しい筋トレフォームできていますか?ストレッチが必要な個所をチェック!
筋トレの主要な種目である「スクワット」「ラットプルダウン」「ベンチプレス」で正しいフォームができていますか?自分のフォームを今一度見直し、ストレッチが必要な個所を確認しましょう。
スクワットで腰が丸まる・膝が前にでる・踵が浮く人
腿の裏が固くてお尻を後ろにつきだせず、膝が前に出てしまう。背中から腰回りが硬くて上半身をまっすぐ保てない人は、腿裏や、股関節のストレッチが必要です。
踵が浮く人は、足首や足の指をほぐして母指球で踏ん張れるようにしましょう。
ラットプルダウンで肩がすくんでしまう人
肩甲骨を下げ、広背筋を使って重りを引く必要がありますが、肩甲骨が上がった状態(=肩がすくんだ状態)で行うと、腕で重りを引くことになり、正しい効果がでないため、肩甲骨まわりをしっかりストレッチしましょう。
ベンチプレスは腰痛がこわい
背中のアーチや、肩甲骨の寄せができていないと、腰に負担がかかってしまいます。肩甲骨から股関節まで全体的にストレッチし、手首もしっかりほぐしましょう。
高重量を扱う人は出来ればパーソナル・トレーナー等のサポートを入れるとより安心です。
すでに腰に痛みがある場合は無理せず医師の指示を仰ぐようにしましょう。
「筋トレ前」におすすめ、代謝アップストレッチのやり方
筋トレ効率をアップするために、上半身、下半身、末端に分けた、全20部位ごとのストレッチのやり方を、以下の記事で詳しく紹介しています。手首足首や指のストレッチも紹介しているのでご覧ください。
「筋トレ後」におすすめ、回復力アップストレッチのやり方
筋トレ後や寝る前におすすめの回復力アップストレッチについての詳細は以下の記事よりご覧ください。
寝る前のストレッチで睡眠の質が良くなれば、筋肉の回復にも効果的です。
毎日やりたい、QOLアップストレッチのやり方
筋トレの正しいフォームはもとより、日々の腰痛や肩こりにもストレッチは効果的です。肩まわりや股関節のストレッチについては、以下の記事を参考にしてください。
手首・足首といった末端のストレッチも生活の質や、人生100年時代の健康に必要不可欠です。以下、ストレッチ記事の「末端のストレッチ」よりご確認ください。
筋トレにストレッチを取り入れる際の注意点
ストレッチをする際に注意するポイントは以下の3つです。
注意点1 無理しない
早くカラダの柔軟性を上げたいからと、無理をして筋を痛めると、トレーニングができなくなり結果的に効果を出す遠回りになってしまいますし、痛いと筋肉が収縮してしまうのでストレッチの効果が出づらいです。
痛みがあるから効果がある、というわけではないので、痛気持ちいいくらいを限度にし、強度を上げる場合は、反動をつけるのではなく、キープする時間を長くしましょう。
注意点2 呼吸を止めない
呼吸をして血液に酸素を贈ることで効果が高まります。鼻から吸って、鼻から吐く腹式呼吸を意識し、ゆっくりした呼吸で集中力を高めましょう。
筋トレ前の動的ストレッチの時は、交感神経を優位にすべく、目を開け、4拍で吸い、4拍で強めに吐きましょう。
筋トレ後や寝る前の静的ストレッチでは、副交感神経優位にするため、息を吐くことに意識を傾けます。4拍で吸って8拍で吐く。(出来る人は12拍で吐く)
注意点3 適度な水分摂取
呼吸同様、水分も血液中に酸素や栄養を巡らせるために必要不可欠。ストレッチを行う際は水分補給も心がけましょう。
一気に沢山飲むと気持ちが悪くなることがあるので、こまめに補給しましょう。
【まとめ】正しいストレッチで筋トレの効果を高めよう
筋トレの効果を高める正しいストレッチのやり方とタイミングを紹介しました。
筋肉を効率よく成長させるためのベースづくり、日々のカラダのメンテナンスにとオールマイティーなストレッチを味方につけて、カッコイイカラダづくり、ダイエット、生活の質向上などなど、自分の目的のカラダを手に入れる近道にしましょう!