ダイエット法の1つとして有名な糖質制限。実際に糖質制限ダイエットで痩せている人は多いものの、デメリットを指摘する人もいます。
- 糖質制限で痩せるって聞いたけど、本当に痩せるの?
- 糖質制限ダイエットにリスクはない?
- 糖質制限ダイエットの正しいやり方を知りたい。
このようなお悩みを持つ方に向けて、糖質制限で痩せる仕組み、メリット・デメリット、成功させるポイントを解説します。
糖質制限ダイエットを検討している人やすでに実践している人も、最後まで読んでいただくことで成功のヒントが得られるでしょう。
糖質制限とは
糖質制限は元々、糖尿病の治療目的で行う食事療法として始まったとされています。糖尿病患者が血糖コントロールをするために、ご飯やパン、麵類などの糖質を制限する食事を行う場合があります。
この食事法はダイエット効果もあるため、脂肪を減らしたい一般人からアスリートまで行うようになりました。
なお、この記事では健常者を対象に糖質制限ダイエットを解説するので、疾病のある方は医師の指示にしたがってください。
糖質制限ダイエットとは
「カラダの脂肪を減らすのに、なんで脂質じゃなくて糖質を減らすの?」このような疑問を持つ方も多いでしょう。それは、脂肪を分解するには先に糖質を消費する必要があるからです。
人間の主要なエネルギー源は糖質と脂質の2種類ですが、糖質はメインタンク、脂質はサブタンクに例えられます。先にメインタンクの糖質を使い切らないと、サブタンクの脂質がエネルギーに使われません。
そのため、先に糖質を減らしておけば、脂肪がエネルギーに使われるため減りやすくなるのです。
また、血糖値コントロールも重要です。血糖値が上がりすぎると処理できない糖質が脂肪になってしまいます。そして血糖値は、上がりすぎた反動で下がりすぎてしまいます。
血糖値が下がりすぎると、筋肉を分解して糖質に変える「糖新生」が活発化してしまうのです。筋肉量が減ると基礎代謝が下がるため、より太りやすく痩せにくいカラダになってしまいます。
糖質制限ダイエットの仕組み
糖質制限ダイエットで痩せる仕組みについて解説しますが、先に「糖質とは何か」と「糖質が脂肪になる仕組み」について解説します。
- そもそも糖質とは何か?
- 糖質が脂肪になる仕組み
- 糖質制限ダイエットで効果的に痩せられる理由
そもそも糖質とは何か?
糖質とは三大栄養素の1つであり、筋肉や脳など、全身のエネルギーになります。炭水化物は糖質と食物繊維が合わさったものです。
炭水化物と糖質はどちらもカラダのエネルギーになる栄養素です。しかし、炭水化物の方が食物繊維を含む分、血糖値の上昇が緩やかで、腸内環境を改善するなどのメリットがあります。
糖質は、筋肉に貯蔵されている「筋グリコーゲン」や肝臓に貯蔵されている「肝グリコーゲン」などのように、体内に蓄えられています。しかし、余った分や血糖値が上がりすぎて処理しきれない分は脂肪になってしまうのです。
糖質が脂肪になる仕組み
糖質制限で鍵を握るのは、インスリンというホルモンと、血糖値です。インスリンは、糖を細胞内に取り込んで血糖値を下げたり、余った糖質を脂肪に変える役割などがあります。血糖値とはブドウ糖の血液中の濃度です。食事などによって上下します。
糖質が体内に取り込まれると血糖値が上がって、インスリンが分泌されます。インスリンが血液内のブドウ糖を細胞内に取り込むことで、血液内のブドウ糖が減る=血糖値が下がるのです。
しかし、血糖値が高まりすぎるとインスリンがブドウ糖を処理しきれず、脂肪に変えてしまいます。
また、血糖値が高まるとその分多くのインスリンが分泌されるため、その反動で血糖値が下がりすぎてしまい低血糖になります。すると今度は、糖を生み出すために筋肉を分解して糖に変える「糖新生」が行われてしまうのです。
つまり血糖値を上げすぎると以下のように、脂肪が増えるうえ、太りやすく痩せにくいカラダになってしまうのです。
- 血糖値が上がりすぎる→体脂肪になる
- 反動で血糖値が下がりすぎる→糖を作り出すために筋肉が分解されて代謝が下がる
糖質制限ダイエットで効果的に痩せられる理由
糖質制限ダイエットで効果的に痩せられるのは、糖質が不足することで脂肪が燃えやすいことと、血糖値が安定して脂肪が増えにくいことが理由です。
糖質が不足することで脂肪が燃えやすい
人間の体内には、筋肉に貯蔵されている「筋グリコーゲン」や肝臓に貯蔵されている「肝グリコーゲン」などに糖質が蓄えられています。
人間のカラダを動かすエネルギーはATP(アデノシン三リン酸)が使われますが、このATPを合成するために、脂質よりも糖質が優先的に使われます。
そして、筋グリコーゲンや肝グリコーゲンが消費されて不足すると、今度は脂肪を分解してATPを生み出そうとするのです。
つまり、先に糖質を消費しておかないと、脂肪の分解は本格化しません。例えると、体内のエネルギーは糖質がメインタンク、脂質がサブタンクです。脂肪を分解するには、先にメインタンクの糖質を使い切ることが重要です。
糖質を制限することでメインタンクの量が減るため、素早くサブタンクに切り替わり、脂肪が燃えてくれます。
血糖値が安定して、脂肪を増やしにくい
先ほど、血糖値が上がりすぎることでインスリンが多く分泌され、反動で低血糖になると解説しました。血糖値が上がりすぎると脂肪が増えて、低血糖になると筋肉が分解されて基礎代謝が下がる悪循環が起こります。
糖質制限なら、血糖値が上がりすぎることも、反動で下がりすぎることもありません。血糖値が上がりすぎないため、糖質が脂肪に変えられることが減ります。
また、血糖値が下がりすぎるリスクも少ないといえるでしょう。なぜなら、糖質を制限してもあらゆる食材に糖質が含まれているため、糖質の摂取量が0になることがないからです。
そして、人間のカラダは血糖値を安定させようとする働きがあります。インスリンが過剰に分泌されない限り、そう簡単には低血糖にならないのです。血糖値が安定するため、筋肉が分解されて基礎代謝が下がるのを防ぐことができます。
そのため糖質制限は、脂肪増加を抑えることができ、基礎代謝も下がりにくいため、ダイエットに適した食事法といえるのです。
糖質制限ダイエットをするメリット
糖質制限ダイエットの主なメリットは、以下の3つです。
- 脂肪を燃やすことができる
- 食事量を極端に減らさずに痩せられる
- 太りにくいカラダづくりができる
脂肪を燃やすことができる
糖質制限により、筋肉や肝臓に貯蔵されているグリコーゲン(糖質)を減らすことができます。先ほど解説したように、体内の糖質が不足することで、脂肪の分解を活発化させられるのです。
なお、脂質からはエネルギー源としてケトン体が生成されます。ケトン体もブドウ糖と同じように、カラダのエネルギー源になります。
食事量を極端に減らさずに痩せられる
糖質制限ダイエットで制限するのは、糖質のみです。むしろ、糖質以外の栄養素はしっかり摂らなければなりません。
特に筋肉の材料となるタンパク質は多く摂取しましょう。糖質制限ダイエットでは食事を変えるだけでなく、筋トレを中心とした運動も重要になってくるため、その分タンパク質の必要量は増えます。
また、糖質を減らす代わりにタンパク質の摂取量を増やすため、食事の量自体はあまり変わりません。食事量を減らさずにダイエットできるのはメリットといえるでしょう。
太りにくいカラダづくりができる
糖質制限と同時に、筋トレをしながら高タンパク質食を行います。そのため、筋肉量が増えて基礎代謝が上がり、痩せやすく太りにくいカラダになれるのです。
糖質制限で脂肪がどんどんエネルギーに代わるため、脂肪が減っていきます。さらに筋肉量が増えて代謝が増えるため、太りにくいカラダになります。
ダイエットに成功するだけでなく、ダイエット成功後もリバウンドしにくいカラダになれることが、大きなメリットです。
カラダが細くなっても、アクティブな生活ができないともったいないので、ぜひ、代謝の良い健康的なカラダを作りながらダイエットすることを大切にしてください。
糖質制限ダイエットのデメリット(注意点)
続いて、糖質制限ダイエットのデメリット・注意点について、以下の内容を解説します。
- 運動なしで糖質制限すると筋肉量が落ちる場合がある
- 食事の際はGI値の低いものから
- 脂質の摂りすぎには注意
- 低血糖に注意
運動なしで糖質制限すると筋肉量が落ちる場合がある
人間の身体には、以下のような特徴があります。
- 消費カロリーより摂取カロリーが多い→筋肉も脂肪も増えやすい
- 消費カロリーより摂取カロリーが少ない→筋肉も脂肪も減りやすい
糖質制限により、糖質の摂取を減らすと摂取カロリーが減ってエネルギー不足になる可能性があります。その場合、筋肉を分解してエネルギーを生み出す糖新生が活性化してしまうおそれがあります。
筋肉の分解を防ぐためには、高タンパク質を意識し、必要な栄養素を摂取することが重要です筋トレも出来るだけ取り入れましょう。特に初心者は、筋トレをして高タンパク食を摂ることで、脂肪を減らしながら筋肉を増やせます。
糖質制限を行うときは、筋トレを取り入れたうえで行うことで、痩せやすく太りにくいカラダを作れるでしょう。
食事の際はGI値の低いものから
糖質制限とはいえ、糖質は必要な栄養素なので、完全にカットしてはいけません。また、野菜や果物、イモ類や豆類など、さまざまな食材に含まれています。そのため、ご飯やパンなどのいわゆる主食を減らしても、完全にカットするのは困難です。
糖質制限中に糖質を摂る場合、GI値の低いものを少量摂りましょう。GI値(グリセミック・インデックス)とは、食後血糖値の上昇度を表す指標です。
GI値は数値が高いほど血糖値は早く上がり、値が低いほど緩やかに上昇します。先ほど解説したように血糖値が上がりすぎると脂肪が増えやすくなるため、GI値が低い食材を選びましょう。
糖質の吸収を緩やかにする働きがある食物繊維の多い食材ほど、GI値が低い傾向があります。GI値が低い食材は、そば、きのこ類、葉物野菜などです。
脂質の摂りすぎには注意
糖質制限では糖質を制限する分、不足するエネルギーをタンパク質・脂質から補うことになります。しかし、タンパク質はエネルギー効率がよくないため、主に脂質からエネルギーを補います。
しかし、脂質過多には注意が必要です。糖質を制限するといっても、脂質を摂りすぎてしまえば、なかなか脂肪は減ってくれないのです。
タンパク質を多く摂るために肉や魚の量を増やすと、同時に脂質の量も増えてしまいます。そこで、以下のような食材を選びましょう。
低脂質・高タンパクの肉
- 豚ヒレ
- 鶏むね
- 鶏ささみ
低脂質・高タンパクの魚
- しろさけ
- くろまぐろ
- まるあじ
低血糖に注意
「糖質に依存した食習慣」や「糖質を制限しすぎる」などの原因によって、低血糖になってしまうリスクがあります。低血糖では筋肉を分解してしまうため、基礎代謝が下がって痩せにくく太りやすいカラダになってしまいます。
特に、以下のような症状に陥ったら注意です。
- 動悸
- 手のふるえ
- 冷や汗
- 眠気
- 脱力感
- 疲労感
- めまい
- 集中力低下
- 頭痛
このような症状が続くなら自己判断での糖質制限をやめて、プロのトレーナーの指導を受けるなど、専門家の指導を受けましょう。
糖質制限ダイエットのやり方と成功のポイント
トータル・ワークアウトでは、美しいカラダ=「健康的に引き締まったカラダ」と考えています。そのためには、筋肉量を増やして基礎代謝を上げ、痩せやすく太りにくいカラダを作ること。そして体重ではなく体脂肪率を下げることが重要です。
同じ重量の筋肉と脂肪では、筋肉の方が体積が小さいため、体重が同じでも筋肉量が多く脂肪が少なければ、カラダが引き締まって見えます。
また、筋肉は重力に負けないため垂れません。そのため筋肉量を増やすと、お尻や胸などの位置が高まります。
このような健康的に引き締まったカラダを作るには、以下のポイントに気をつけながら糖質制限ダイエットを行いましょう。
- 食事法
- 筋トレ
食事法
ボディメイク成功の秘訣の9割は、食生活の改善にあります。主食を抜く、減らすことで糖質を制限し、高タンパク質・低脂質の食事を摂りましょう。摂取エネルギーよりも消費エネルギーが多い状態を作ることで、脂肪の燃焼を活発にできます。
また血糖値を安定させるためには、空腹状態を作らないことや、お腹いっぱいの状態にしないことも重要です。そのためトータル・ワークアウトでは、1日5〜6食を推奨しています。
1日の食事をより多く分割すれば1度に摂る糖質量を減らせるので、血糖値が上がりすぎるのを防げます。さらに、食間が短くなるため、低血糖になるリスクも抑えられるのです。
一度に吸収できる栄養の量にも限界があるため、消化吸収の面でもメリットがあるでしょう。
糖質制限ダイエットでは、高タンパク質・低糖質・低脂質の食事を1日5〜6回に分けて摂るのが、成功の秘訣です。
筋トレ
糖質制限ダイエットでは、筋トレを行って筋肉量を増やすことで、基礎代謝を上げて痩せやすいカラダを作ることがポイントです。また、筋トレは糖質の消費量が多いため、素早く糖質を枯渇させて脂肪燃焼のスイッチを入れられます。
筋トレで脂肪燃焼のスイッチを入れてから有酸素運動を行うと、効率よく脂肪を燃焼させられるのです。
また、効率よく基礎代謝を上げるには、大きな筋肉を鍛えることが有効です。お尻の大殿筋、太ももの大腿四頭筋、大胸筋、広背筋など、大きな筋肉を優先して鍛えましょう。
詳しいトレーニング内容については以下の記事で解説します。
糖質を多く含む食品
最後に、糖質を多く含む食品について解説します。以下で紹介する食品は糖質の含有量が多いため、糖質制限のときにはなるべく控えるよう注意しましょう。
- 炭水化物
- 菓子類
- 甘味料
- アルコール
- 野菜類
- 果物類
炭水化物
炭水化物は糖質がメインなので、その中でもGI値が高い食品を紹介します。以下のような精製された糖質は、GI値が高い傾向にあります。
- 食パン
- 白米
- うどん
菓子類
ほとんどのお菓子は高糖質・高脂質であり、食物繊維はあまり含まれていません。GI値が高いのはもちろんのこと、酸化した脂質が多いため、健康のためにもできるだけ避けるのがベターです。
- ケーキ
- あめ
- ポテトチップスなどのスナック菓子
- 菓子パン
- チョコレート
甘味料
甘味料に使われる糖類は食物繊維が含まれないため、もちろん高GIです。このような甘味料を使わないことはもちろんですが、清涼飲料水やペットボトル・紙パックのコーヒー飲料などにも甘味料が大量に含まれるため、気をつけましょう。
- 砂糖
- 果糖
- ブドウ糖
甘味料を使うのであれば、ラカンカやステビアがおすすめです。ただし量には気を付けてください。
アルコール
アルコールには筋肉の合成を抑える働きがあるため、筋トレ中の人はできるだけ避けましょう。せっかく筋トレをしても筋肥大作用を低下させてしまうため、効果が半減してしまいます。
特に以下のアルコールは糖質が多いため、注意が必要です。
- 梅酒
- ビール
- チューハイ
- 日本酒
野菜類
野菜はビタミンや食物繊維を摂取するために、糖質制限ダイエット中も積極的に食べたい食材です。しかし野菜の中でも、いも類・根菜類には糖質が多いため注意が必要です。
- じゃがいも
- とうもろこし
- にんじん
果物類
果物も、ビタミンや食物繊維を摂取するためには、有効な食材です。しかし、高糖質のものが多いため、以下の食材は食べ過ぎないように注意してください。
- バナナ
- ブドウ
- マンゴー
- りんご
以下の記事も参考にしてみてください。
正しい糖質制限でダイエットを成功させよう
人間の主なエネルギー源は、メインタンクの糖質とサブタンクの脂質があります。糖質制限ダイエットでは糖質を制限することで先に糖質を消費し、脂肪の分解を活発化させます。また、糖質を控えることで血糖値の乱高下を防ぎ、脂肪の増加や筋肉の分解を抑えられるのです。
糖質制限では摂取エネルギーよりも消費エネルギーの多い状態を作ることがポイントです。食事量は減らさずに高タンパク質・低糖質・低脂質を心がけ、タンパク質・ビタミン・ミネラルをしっかり摂りましょう。
さらに筋トレを行って筋肉量を増やし基礎代謝を上げれば、痩せやすく太りにくいカラダをつくれます。筋トレでは糖質が多く消費されるため、筋トレを行った後に有酸素運動を行うとより効果的です。
とはいえ、このような正しい糖質制限ダイエットを自分自身で行うのは、なかなか難しいもの。特に糖質制限を始めて3日目あたりに甘いものを強く欲したり、エネルギー不足を感じることが多いようです。安全かつ効果の出る糖質制限ダイエットを行いたい方は、パーソナル・トレーニングを検討してみてください。
なお、数多くのダイエットの成功体験を生んできたトータル・ワークアウトでは、プロのトレーナーから、あなたにパーソナライズされた食事・トレーニング指導が受けられます。
無料のカウンセリングを行っているので、ぜひ一度体験してみてください。
トータル・ワークアウトの無料カウンセリングを受けてみる