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筋肉づくりに必要な栄養素は?栄養学に基づいて解説

筋トレの効果を上げるために必要な栄養素はさまざまなものがあります。「種類が多すぎて、具体的にどんな栄養素が重要なのかわからない」「タンパク質が重要だと聞いたが、それがなぜなのか具体的に知りたい」などの疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

筋トレによって筋肉をつける大きなメリットは「代謝のいいカラダ」をつくることです。代謝がよくなると、痩せやすくなるだけでなく、疲れづらく回復しやすいカラダになり、仕事やプライベートのパフォーマンスが上がります。

この記事では、スポーツや筋肥大のために筋トレをしている人、ダイエットのために筋トレをしている人に向けて、筋肉を鍛えて代謝を上げるために重要な栄養素について解説するので、ぜひ最後まで読んで筋肉づくりに役立ててください。

筋肉づくりには栄養バランスのよい食事が重要

筋肉づくりには、栄養バランスのよい食事が重要です。筋トレで筋肉づくりにスイッチを入れても、栄養素が不足していれば筋肉は育ちません。

脂肪を減らしながら筋肉を効果的に育てるには、高タンパク質・低脂質・低糖質の食事が重要です。そして、代謝を支えるビタミン・ミネラルは不足しがちなため、より意識して摂らなければなりません。

食事法について詳しくは、筋トレ中の食事について解説している以下の記事をご覧ください。

筋肉づくりに欠かせないタンパク質

筋肉づくりには「タンパク質」がもっとも重要です。しかし、具体的になぜ重要なのかはあまり知られていません。タンパク質がなぜ重要なのか、タンパク質の質や量は、どう考えればいいのかを解説します。

タンパク質とは

タンパク質は筋肉や全身の臓器から酵素まで、さまざまなものの材料になります。食事で摂取したタンパク質はアミノ酸に分解されて、小腸から吸収されます。

タンパク質を構成するアミノ酸は20種類です。9種類の必須アミノ酸と11種類の非必須アミノ酸に分かれます。非必須アミノ酸は体内で合成できますが、必須アミノ酸は体内で合成できません。そのため、必須アミノ酸は食事での摂取が必須です。

必須アミノ酸9種類

  • バリン
  • ロイシン
  • イソロイシン
  • メチオニン
  • リジン
  • フェニルアラニン
  • トリプトファン
  • ヒスチジン
  • スレオニン

非必須アミノ酸11種類

  • アルギニン
  • グリシン
  • アラニン
  • チロシン
  • セリン
  • システイン
  • グルタミン
  • アスパラギン
  • プロリン
  • グルタミン酸
  • アスパラギン酸

タンパク質は運動後の筋肉修復のために必要

タンパク質は筋トレ・運動後の筋肉修復に必要です。筋トレ・運動で筋肉に大きな負荷が与えられると、筋肉は微細な損傷を起こします。

微細に損傷した筋肉が回復するとき、筋トレ・運動以前よりも筋肉が成長します。これが「超回復」と呼ばれる筋肉が成長するメカニズムです。

しかし、筋肉に負荷をかけて微細な損傷が起きても、タンパク質が不足すれば十分に成長してくれません。筋トレ・運動の効果が低下してしまいます。

タンパク質は運動をしていなくても必要な栄養素ですが、筋肉に負荷をかけたときは特に必要量が増します。

超回復について詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。

タンパク質の中でも「質」の良いものを摂取

タンパク質の重要性を解説しましたが、タンパク質は「質」の差が大きいです。先ほど解説したようにタンパク質は20種類のアミノ酸で構成されます。しかし、一口にタンパク質といっても、どんなアミノ酸がどれだけ含まれているのか、そのバランスはさまざまです。

筋肉づくりには、9種類の必須アミノ酸が豊富に含まれているタンパク質が有効です。さらに必須アミノ酸の中でもBCAAと呼ばれるバリン・ロイシン・イソロイシンの3種類が豊富に含まれていると、なおよいでしょう。

そして、タンパク質を効果的に摂取するためには「プロテイン」の活用がおすすめです。しかし、プロテインの質の差はとても大きく、多くの商品には保存料や人工甘味料などの添加物がたっぷり含まれています。

添加物は腸内環境を悪化させるなどのデメリットが懸念されているため、できる限り添加物が入っていないプロテインを選びたいところ。しかし、無添加で美味しいプロテインを探すのは困難です。

そのため、無添加でノンフレーバーのプロテインを自分で味付けしたり、味があるプロテインにスーパーフードを足して栄養価を上げたりなどの工夫がおすすめです。

また数は少ないものの、添加物が限りなく0に近いプロテインもあるので、質にこだわる人は探してみてください。

タンパク質の必要量

筋肉づくりに必要なタンパク質の必要量は、1日体重1kgあたり1.5〜2.5gです。以下の表をご覧ください。

体重(kg)1日あたりのタンパク質必要量(g)
5075〜125
5582.5〜137.5
6090〜150
6597.5〜162.5
70105〜175
75112.5〜187.5
80120〜200

この量のタンパク質をできる限り分割して摂りましょう。分割して摂ることで血液中のアミノ酸濃度が高い状態を維持できるため、常に筋肉が増えやすい状態を維持できます。

詳しくは、筋トレ中のタンパク質摂取の仕方について解説した以下の記事をご覧ください。

筋肉づくりで重要な代謝を上げる栄養素

代謝をあげて、痩せやすくて太りにくく、疲れづらく回復しやすいカラダをつくるには、代謝をサポートする栄養素が重要です。筋肉づくりに重要な、代謝を上げる栄養素5つを解説します。

  • L-カルニチン
  • αリポ酸
  • コエンザイムQ10
  • オメガ3
  • 亜鉛&銅

L-カルニチン

L-カルニチンとは

L-カルニチンは、脂肪をエネルギーに変えるために重要な働きをするアミノ酸の一種です。脂肪が分解されると脂肪酸になりますが、その脂肪酸をミトコンドリアに運ぶときにカルニチンから作られる酵素が必要になります。

そのためカルニチンが体内に多いと、脂肪をエネルギーに変えやすいです。カルニチンに関する43の実験を分析した結果、L-カルニチンの補給により体重と脂肪量が減少したと報告されています。*1

日本人の食事では不足しがちですが、不足すると脂肪をエネルギーに変えづらいため、脂肪燃焼が停滞する可能性があります。

L-カルニチンを多く含む食材

カルニチンの推奨量は1日500mg以上ですが、日本人の平均的な食事では平均40〜80mgほどです。

以下のL-カルニチンが豊富に含まれる食材を積極的に食べましょう。サプリメントの活用もおすすめです。(以下、食品100gあたりのL-カルニチン量)

  • 羊肉:167.8mg
  • 鶏レバー:94mg
  • 牛肉:76mg
  • 豚肉:21mg
  • 鶏肉:10.2mg
  • 豆類:5.7mg
  • 野菜類:0.2mg

αリポ酸

αリポ酸とは

αリポ酸は、抗酸化作用が報告されている成分で、細胞内のミトコンドリアで糖分をエネルギーに変える役割があります。糖質の代謝を活性化してくれることで、脂肪燃焼を促進する働きもあると考えられています。

10本の論文を分析したレビューでも、αリポ酸を摂取したグループがそうでないグループよりも、体重が平均1.27kg多く減少したと報告されました。*2

年齢を重ねるとαリポ酸の産生量が減少して基礎代謝が落ちてしまうため、年を重ねるごとに摂取量を増やす必要があります。

αリポ酸を多く含む食材

αリポ酸は、牛・豚の内臓、ほうれん草、トマト、ブロッコリー、ジャガイモなどに含まれていますが、食品から摂取できる量はわずかです。

目安の1日100mgを摂取する場合、ほうれん草だと約400kg摂取しなければならないなど、食品からの摂取は非常に困難です。そのため、サプリメントでの摂取をおすすめします。

コエンザイムQ10

コエンザイムQ10とは

コエンザイムQ10は筋肉を動かすエネルギーである「ATP(アデノシン三リン酸)」の合成に重要な役割を果たします。また、脂質に溶ける性質があり、脂質の中で抗酸化作用を発揮します。

コエンザイムQ10は私たちのカラダをつくる細胞の中にある、ミトコンドリアと呼ばれる器官に多く存在しています。ミトコンドリアは、食事から得た栄養素をエネルギーに変換する、エネルギーの工場のようなもの。 そしてミトコンドリアの中にあるコエンザイムQ10は、工場で働くスタッフにあたります。つまり、コエンザイムQ10が無いと、工場がうまくはたらかず、エネルギーを作り出すことができない、ということなのです。

ですから、トレーニングの有無に関わらず、生活のエネルギーを高めて、アクティブに過ごしたい全ての方に適したサプリと言えるでしょう。。

何のサプリメントを飲めば良いか迷ったら、コエンザイムQ10 をチョイスの上位に入れることをおすすめします。

コエンザイムQ10を多く含む食材

コエンザイムQ10は年齢を重ねるとともに、体内で合成される量が減ってしまいます。イワシ・サバ、牛肉・豚肉などに豊富に含まれますが、100mgのコエンザイムQ10を摂取するのにイワシなら約25匹、牛肉なら約3kg必要です。

食事からの摂取は困難なため、サプリメントでの摂取がおすすめです。

オメガ3

オメガ3とは

オメガ3とは魚に豊富に含まれる脂肪酸です。α-リノレン酸・EPA・DHAなどがあります。オメガ3は血中の中性脂肪を下げる働きや、神経組織の構成物質になる働きがあります。

これらの働きから、生活習慣病や認知症の予防にも重要です。

オメガ3脂肪酸を多く含む食材

特にEPAとDHAが不足気味です。EPAとDHAが多く含まれる食材は、サケ・マグロなどの脂肪が多い魚や、カニ・カキなどの甲殻類に多く含まれています。

魚油から抽出したオメガ3のサプリメントも、広く売られています。

しかし魚や、魚油から抽出したオメガ3のサプリメントは、海洋汚染による重金属や有害物質が含まれている可能性があるため注意が必要です。

藻類から抽出されたオメガ3なら、重金属や有害物質の心配はありません。

亜鉛&銅

亜鉛&銅とは

亜鉛はホルモンの材料になり、DNAやタンパク質の合成に必要です。補酵素として、体内のさまざまな代謝に関わります。

亜鉛が不足すると正常な細胞分裂ができず、さまざまな不定愁訴の原因になります。

また、亜鉛を摂取すると体内の銅が減少するため、亜鉛10:銅1の割合で摂取するのがおすすめです。この割合で販売されているサプリメントが多くあります。

亜鉛や銅を多く含む食材

亜鉛が多く含まれる食品は、カキや牛肉の赤身、レバーやカシューナッツなどです。銅もカキやレバー、カシューナッツに多く含まれます。亜鉛と銅が多い食材は共通していることが多いので、これらの食品を摂ることで両方摂取できます。

しかし、日本人の平均的な食事では不足しがちなため、サプリメントでの摂取がおすすめです。

疲労回復に効果的なアミノ酸「OCAA」

OCAAとはOrnithine Cycle Amino Acidsの略称で、アルギニン・オルニチン・シトルリンという疲労回復に効果的な3つのアミノ酸のことをいいます。

それぞれどのように効果的なのか解説します。

アルギニン

アルギニンは体内で一酸化窒素を産生したり、成長ホルモンを分泌したりする働きがあります。

一酸化窒素には血管を拡張する作用があります。カラダのめぐりをよくすることで疲労回復に効果的です。

実際、テコンドーの選手を対象にした実験では、BCAA・アルギニン・シトルリンを摂取したグループの方がそうでないグループより、中枢疲労が減ったと報告されています。*3

また、アルギニン摂取量の多い子どもの方が、身長の伸びが大きいとの報告があり、成長ホルモン分泌によるものと考えられます。*4

オルニチン

オルニチンはアンモニアを代謝する「オルニチン回路」を活発にしたり、肝臓を保護したりする働きによって、疲労回復効果があると考えられています。

実験でも、オルニチンを摂取したグループの方がそうでないグループより、トレーニング後の疲労感を軽減させたと報告されています。*5

シトルリン

シトルリンは体内でアルギニンに変わり、血中アルギニンレベルを高めます。そのため作用はアルギニンとほぼ同じです。

しかし、アルギニンはアルカリ性が強くて味がよくないため、シトルリンと合わせて飲むことで、飲みにくさを緩和できます。

食事だけで不足する栄養素はサプリメントの活用がおすすめ

これまで筋肉づくりや、代謝を活発化させたり疲労を回復させたりする栄養素を解説してきました。しかし、これらの栄養素を食事から摂ろうとすると量の計算が難しい、カロリー過多になる、などの問題があります。

そもそもαリポ酸のように、食事から欲しい量を摂取するのが困難な栄養素もあります。

そこでサプリメントの活用がおすすめです。サプリメントなら分量の計算も簡単で、欲しい栄養素だけを摂取できます。普段の食事に気をつけるのはもちろんのこと、サプリメントも積極的に活用しましょう。

パーソナル・トレーニングジムではあなたのカラダに必要なサプリメントが分かる

筋肉づくりには、さまざまな栄養素が必要です。そして必要な栄養素の量には、個人差があります。その個人差を自分で判別するのは困難です。また、栄養素の組み合わせやサプリメントの吸収率、体内に滞在する時間など、効果的に使うにはさらに専門知識が必要です。

パーソナル・トレーニング歴20年以上のトータル・ワークアウトでは、会員様向けサービスとして、体組成の測定や血液の状態を参考に医師やパーソナル・トレーナーが「あなただけの」サプリを提案するサービス「My Supplement 定期便」を行なっています。

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TW PLUS 編集部

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