背中の筋肉は、代謝アップに重要な「大きな筋肉トップ3」にはいる重要な部位。見た目だけでなく、万人に鍛えて欲しい筋肉です。
「たくましい逆三角形の上半身をつくりたい」
「背中の肉が下着にのっかる・・・」
このような悩みを持つ方に、背中の筋肉とその鍛え方、部位別の代表的なトレーニング種目7つを解説します。
この記事を読めば、たくましい逆三角形やしなやかで引き締まった背中、代謝の良いカラダへの近道になるでしょう。
背中の筋肉の部位
背中の筋肉は、大きく以下の5つに分かれます。
- 広背筋
- 脊柱起立筋(最長筋・腸肋筋・棘筋)
- 大円筋
- 僧帽筋(中部・下部)
- 菱形筋(大・小)
広背筋
広背筋は背骨・肋骨下部・肩甲骨下部・骨盤から、上腕骨につきます。
腕を上から下、斜め前上から斜め後ろ下へ引くときに働く筋肉。
懸垂のように腕を上から下へ引く動き、斜め前上から斜め後ろ下へ引く動きで鍛えられます。
鍛えることで、男性は逆三角形の上半身、女性はくびれを強調させられます。
この、大きな筋肉を鍛えることで代謝がアップし、気になる部位のシェイプアップにもつながります。
脊柱起立筋(最長筋・腸肋筋・棘筋)
脊柱起立筋は最長筋・腸肋筋・棘筋に分かれ、骨盤・背骨・肋骨のあたりから頭蓋骨にかけてつく筋肉です。
体幹を固定したり、腰・背中・首を反らしたり傾けたりする働きがあります。
体幹を固定したまま重いものを床から持ち上げる。体幹を反らす。といった動きで鍛えられます。
鍛えることで背骨付近にボリュームが生まれます。
厚みがあるたくましい背中や、背骨にくぼみがあるしなやかなカラダづくりに効果的です。
大円筋
大円筋は肩甲骨の下部から上腕骨につきます。広背筋と同じように腕を後ろに引くときや、腕を内側にひねる(内旋)ときに働く筋肉です。
広背筋と同じように、腕を後ろに引く動きで鍛えられます。
鍛えることで、脇の下にボリュームが生まれます。
僧帽筋(中部・下部)
僧帽筋は上部・中部・下部に分かれますが、上部は背中というより首の筋肉です。
中部・下部も背骨から肩甲骨の肩峰付近に付着します。
肩甲骨を内側に寄せたり、下げる働きがあります。
中部は腕を前に伸ばして肩甲骨が開いた状態から、腕を引きながら肩甲骨を内側に寄せる動きで鍛えられます。
下部は広背筋と同じように、腕を斜め前上から斜め後ろ下へ引く動きでも鍛えられます。
菱形筋(大・小)
菱形筋には大菱形筋と小菱形筋がありますが、どちらも僧帽筋の深層にあるため見えません。
肩甲骨を内側に寄せる働きがあります。
僧帽筋と同様の動きで鍛えることができます。
鍛えることで僧帽筋を持ち上げ、肩甲骨の間にボリュームが生まれます。
背中を鍛えることで得られる5つのメリット
メリット❶基礎代謝の向上
大きな筋肉である背筋を鍛えることで、基礎代謝が上がります。
代謝の良いカラダは
- 太りづらい
- ダイエット効率アップ
- 様々なことにチャレンジする活力が湧く
- 仕事効率アップ
などに繋がります。
上半身の大きな筋肉である胸筋とバランスよく鍛えることで、正しいフォームで筋トレができるようになるため、筋トレ効率も向上します。
メリット❷メリハリのあるボディライン
基礎代謝が良いので余計な脂肪は燃焼されやすくなり、背中・肩が適度に発達することで、ウエストとのコントラストでメリハリのあるボディバランスが出来上がります。
メリット❸スポーツパフォーマンスの向上
肩甲骨が内側にしっかり動くようになると、投球やパンチの際の瞬発力が高まったり、水泳のフームが正しくなるというメリットがあります。スポーツを楽しむうえでも技術向上につながるでしょう。
メリット❹姿勢の改善
正しいトレーニングフォームを意識して背筋を鍛えることで、肩甲骨周りの動きが良くなり、骨盤から背骨、首までラインが整い正しい姿勢になります。
猫背が治ると首が長く見え、後ろ姿も立ち居振る舞いもシャープになります。
骨盤の傾きを含め、姿勢が正しくなると下腹部のポッコリ感も解消されることが多く、腹筋にも力が入りやすくなります。
メリット❺肩こり腰痛の予防
上記の通り、肩甲骨周りをほぐすことで骨盤から首までのS時カーブが整います。また、大きな筋肉を刺激することによって血流が良くなることもあいまって、肩こりや腰痛が改善されることが考えられます。
背中のおすすめトレーニング 広背筋・大円筋・僧帽筋下部3選
広背筋をメインに、大円筋・僧帽筋下部を効率よく鍛えるには、懸垂バーやダンベル・バーベル、マシンが必要です。
ジムではなく自宅で行う場合は、懸垂バーやダンベルの購入が必要です。
筋トレをするときに息を止める人がいますが、しっかりと呼吸をすることでカラダに酸素を送ることを忘れずに!
- 懸垂(難易度:★★★☆☆)
- ベントオーバーロウ(難易度:★★☆☆☆)
- ラットプルダウン(難易度:★☆☆☆☆)
※トレーニング回数や負荷についてはその人の骨格や体調などによって異なります。以下で紹介する回数は参考値のため、自分に最適な方法を知りたい方はパーソナル・トレーニングを利用するとよいでしょう。
懸垂(難易度:★★★☆☆)
広背筋の代表的なトレーニングが懸垂です。
広背筋、大円筋、僧帽筋下部、三角筋後部、上腕二頭筋が鍛えられます。
- 懸垂バーを肩幅・逆手で握り、脚を組んで浮く。
- カラダを反らしながら、胸をバーにつけるように上げる。ゆっくり下ろす。
- 10回ほど繰り返す。
できない場合は椅子に乗って、脚でアシストしながら行いましょう。
懸垂が出来ない理由と改善豊方法、鉄棒を使用した懸垂事前トレーニング等については以下の記事を参考にしてみて下さい。
ベントオーバーロウ(難易度:★★☆☆☆)
ベントオーバーロウは広背筋、大円筋、僧帽筋下部、三角筋後部が鍛えられる種目です。
バーベルかダンベルを使います。
- 肩幅に足を開いて、バーベルを肩幅より広く握る。
- 膝は軽く曲げて腰を後ろに下げ、体幹を真っすぐにして前傾する。この状態をキープする。
- 肘を腰に向かって引きながら、バーベルを腰まで持ち上げる。ゆっくり下ろす。
- 10回ほど繰り返す。
ラットプルダウン(難易度:★☆☆☆☆)
ラットプルダウンはマシンがなければできないものの、初心者でも広背筋に効かせやすい種目なのでおすすめです。
広背筋、大円筋、僧帽筋下部、三角筋後部、上腕二頭筋が鍛えられます。
- ラットプルダウンのマシンに座り、バーを肩幅より広く握る。
- 背中を反らせながら、バーが胸にくるように引く。ゆっくり戻す。
- 10回ほど繰り返す。
背中のおすすめトレーニング 脊柱起立筋3選
脊柱起立筋は自重でもバックエクステンションによって鍛えられます。
他のメニューはダンベル・バーベルなどの器具が必要です。
- バックエクステンション(難易度:★☆☆☆☆)
- デッドリフト(難易度:★★☆☆☆)
- ルーマニアンデッドリフト(難易度:★★★☆☆)
- グッドモーニング(難易度:★★☆☆☆)
※トレーニング回数や負荷についてはその人の骨格や体調などによって異なります。以下で紹介する回数は参考値のため、自分に最適な方法を知りたい方はパーソナル・トレーニングを利用するとよいでしょう。
バックエクステンション(難易度:★☆☆☆☆)
バックエクステンションは、脊柱起立筋を鍛える代表的なメニューです。
- うつぶせに寝る。負荷が足りない場合は、背中に重りを乗せて手で押さえる。
- あごをあげるように、できるだけ反る。脚も反っていい。
- ゆっくり地面につかないように下ろす。
- 10回ほど繰り返す。
デッドリフト(難易度:★★☆☆☆)
デッドリフトは、すべてのトレーニングの中でもっとも高重量を扱える種目です。
脊柱起立筋、大腿四頭筋、ハムストリングス、大殿筋、僧帽筋など、幅広く鍛えられます。
脊柱起立筋は、体幹を固定するために強く収縮します。
- 肩幅に足を開いてバーベルを肩幅で握る。
- 膝を軽く曲げて前に出し(つま先より前に出ないように)、腰を後ろに下ろして体幹を真っすぐにして前傾する。
- バーベルを腰の高さまで持ち上げる。
- ゆっくり下ろす。下ろす高さは、すねの位置でも地面につくまででも、腰に無理がない高さまで。このとき体幹は真っすぐに固定したまま。
- 10回ほど繰り返す。
ルーマニアンデッドリフト(難易度:★★★☆☆)
ルーマニアンデッドリフトは膝を前に出さないことで、カラダの後ろ側の筋肉により強く負荷をかけるデッドリフトです。
通常のデッドリフトより、脊柱起立筋、ハムストリングス、大殿筋により強く負荷がかかります。
ただ、腰への負荷が高まるので注意が必要です。
- 肩幅に足を開いてバーベルを肩幅で握る。
- 膝は軽く曲げるが位置を変えない。腰は少し後ろに下げるが、できるだけ動かさない。体幹を真っすぐにして前傾する。
- バーベルを腰の高さまで持ち上げる。
- ゆっくり下ろす。下ろす高さは、すねの位置でも地面につくまででも、腰に無理がない高さまで。このとき体幹は真っすぐに固定したまま。
- 10回ほど繰り返す。
グッドモーニング(難易度:★★☆☆☆)
グッドモーニングは脊柱起立筋、大殿筋、ハムストリングスを鍛えられる種目です。
腰への負担が大きいので、軽めのバーベルから始めましょう。
- バーベルを肩にかつぎ、肩幅に足を開く。
- 膝は軽く曲げるが位置を変えない。腰は少し後ろに下げるが、できるだけ動かさない。体幹を真っすぐ、地面と平行になるまで前傾する。ゆっくり1のポジションに上げる。
- 10回ほど繰り返す。
背中のおすすめトレーニング 僧帽筋中部・菱形筋
最後に、僧帽筋中部と菱形筋を鍛えられる種目を解説します。
肩甲骨をしっかり内側に寄せるのがポイントです。
※トレーニング回数や負荷についてはその人の骨格や体調などによって異なります。以下で紹介する回数は参考値のため、自分に最適な方法を知りたい方はパーソナル・トレーニングを利用するとよいでしょう。
ダンベルリバースフライ(難易度:★★☆☆☆)
ダンベルリバースフライは、僧帽筋中部・下部、菱形筋、三角筋後部が鍛えられる種目です。
ダンベルかチューブ、ケーブルのついた器具を使います。
- 肩幅に足を開いて、ダンベルを肩幅より広く握る。
- 膝は軽く曲げて腰を後ろに下げ、体幹を真っすぐにして前傾する。この状態をキープ。
- 肘を軽く曲げたまま外に開きながら、肩の高さの少し上まで上げる。このとき、肩甲骨をしっかり内側に寄せる。ゆっくり下ろす。
- 10回ほど繰り返す。
背中のトレーニングをする際に気を付けるポイント
正しいフォームでトレーニングするためのストレッチ
肩甲骨がしっかり動かないと背中のトレーニングに置いて正しい効果が出づらいもの。
また、骨盤周りが固まっていて正しく骨盤を立てられない、というのも困りものです。
背中、骨盤まわりをほぐすストレッチについては以下の記事を参考にしてみて下さい。座ったままできるストレッチや寝ながらできる呼吸法などについて詳しく解説しています。
筋トレ効果を上げる栄養素
筋トレをしていても、していなくても、誰にとっても大切な「たんぱく質」ですが、筋トレをしている人は筋肉の材料となるタンパク質をより一層積極的に摂りたいものです。
目安としては体重1kgあたり1.5~2g
体重60kgの人なら90gから150gを1日に摂取しましょう。
低脂肪の肉類やプロテインドリンクを活用し、糖質を控えることはご存知の通りです。
筋トレする人のたんぱく質摂取に関しては以下の記事も参考にしてみて下さい。
休養を設ける
背中を鍛えたら回復の為に2~3日の休養期間を設けましょう。痛みがある際はなおさらです。背中以外の部位であれば翌日に鍛えても問題ありません。
超回復については以下の記事を参照してみてください。
睡眠の質や、入浴、マッサージといった方法で回復力を上げることも心がけましょう。
背筋トレーニングで理想の背中を手に入れよう
背中の筋肉とその鍛え方、代表的なトレーニングを7つ解説しました。
ここで解説したトレーニングをしっかり行えば、あなたの理想の背中に近づくはずです。
しかし、背中は比較的効かせるのが難しい部位です。
行ってみて難しそうなら、パーソナル・トレーニングでプロのトレーナーの指導を受けるとよいでしょう。
正しいフォームや負荷設定を覚えることで、効果が大きく向上します。
さらに怪我の防止につながるメリットもあります。
ぜひ、この記事で解説した背筋トレーニングを行って、たくましい逆三角形やしなやかで引き締まった背中を手に入れてください。
背筋を鍛える際は、その前面に位置し互いに支えあう胸筋も大切なので、バランスよく鍛えてみてください。