「肩を大きくしたい」「引き締まったしなやかな肩がほしい」「なで肩が気になる」
このようなお悩みを持つ方もいるのではないでしょうか。
本記事では、肩の筋肉の部位やその鍛え方、部位別に代表的なトレーニング種目8つを解説しています。
この記事を読めば、肩のトレーニング方法がわかるようになっているので、ぜひお役立てください。
肩は見た目が重視されることも多いですが、肩を適切に鍛えることが、背筋・胸筋といった大きな筋肉を鍛えるための底上げにもなったり、肩こりの改善にもつながります。
肩が逞しくなることを懸念する女性も多いですが、代謝アップのための大きな筋肉を補助する肩はきちんとトレーニングに入れたい部位です。
ここに書いてあるトレーニングをしっかり行えば、あなたの理想の肩に近づけるでしょう。
肩を鍛えることで得られるメリット

肩幅が広くなる
肩幅が広くなることで
- スーツやTシャツをかっこよく着こなせる
- 薄着の季節になると丸みのある肩の筋肉が目立つ
- なで肩が改善される
- ウエストとのメリハリがでる
このような見た目の変化が現れます。
代謝アップ
肩の筋肉自体は、胸筋や広背筋にくらべると小さいですが、肩を鍛えることが背筋・胸筋といった大きな筋肉を鍛えて代謝の高いカラダづくりの底上げになります。
肩こり・巻き肩の改善
肩回りの筋トレで血流が良くなると、肩こりや首の痛みが改善されます。
とくに最近はスマホやタブレットを長時間前かがみで見ることにより、肩が前に丸まった「巻き肩」によって肩こりだけでなく、呼吸が浅くなるなどによる体調不良を訴えるひとがいます。
三角筋を鍛えると共に、肩甲骨周りの筋トレとストレッチも組み合わせることで、より効果的に不具合が改善されるでしょう。
肩を構成する筋肉

肩の筋肉は、大きく以下の2つに分かれます。
- 三角筋(前部・中部・下部)
- 回旋筋腱板(ローテーターカフ)
三角筋(前部・中部・下部)
三角筋は鎖骨や肩甲骨から上腕骨にかけて、肩関節を覆うようにつく筋肉です。
前部・中部・下部に分かれ、どの部位も腕を上げるときに働きますが、方向によって主に働く部位が変わります。
- 前部:腕を前方に上げる(屈曲)
- 中部:腕を横に上げる(外転)
- 後部:腕を後ろに上げる(伸展)
三角巾を鍛えることで男性は大きくかっこいい肩、女性は引き締まったしなやかな肩をつくれます。
日常生活で大きな負荷がかかることがあまりないので、意識的に筋トレで鍛える必要があります。
回旋筋腱板(ローテーターカフ)
回旋筋腱板は、肩のインナーマッスルです。肩関節の安定性に重要で、外旋・内旋・外転などで働きます。
以下の4種類は、棘下筋以外は表層から見えにくいため、鍛えてもあまり見た目の変化はありません。
- 棘上筋
- 棘下筋
- 小円筋
- 肩甲下筋
野球やテニスのように腕を大きく振る種目では、多くの人がコンディショニングのために鍛えます。
棘下筋は表層から見えるため、ボディビルダーは鍛える人が多いです。
棘上筋
棘上筋は肩甲骨の上部から上腕骨につく筋肉です。
腕を横に上げるとき、三角筋と一緒に働きます。
棘下筋
棘下筋は、肩甲骨の中部と下部から上腕骨につく筋肉です。
腕を外旋(外側にひねる)ときに働きます。
小円筋
小円筋は、肩甲骨の外側から上腕骨につく筋肉です。
腕を外旋(外側にひねる)ときに棘下筋と一緒に働きます。
肩甲下筋
肩甲下筋は、肩甲骨の内側(肋骨側)から上腕骨につく筋肉です。
腕を内旋(内側にひねる)ときに働きます。
肩を鍛える際のコツ

肩の筋肉は三角筋をとってみても前部・中部・後部とわかれていて、それぞれ異なる動きをするので、肩を鍛える際は以下のようなコツをおさえる必要があります。
- 各々の部位に合った正しい動きで鍛える
- 正しいフォームで鍛える
- 前・中・後ろ、上下バランスよく鍛える
三角筋をバランスよく鍛えるコツ
- 前部:腕を前に上げる。腕立て伏せのように腕をカラダの前方に押す。
- 中部:腕を真横に上げる。肩から上にダンベルやバーベルを持ち上げる。
- 後部:腕を後ろに上げる。懸垂のように肘を後ろに引く。
回旋筋腱板をバランスよく鍛えるコツ
- 棘上筋:カラダの45度前横に、腕を45度の角度まで上げる。
- 棘下筋:肘を曲げて腕を外旋(外側にひねる)。
- 小円筋:肘を曲げて腕を外旋(外側にひねる)。
- 肩甲下筋:肘を曲げて腕を内旋(内側にひねる)。
正しいフォームを保つコツ
肩がすくんで上にあがってしまう、力んでしまう人は正しフォームで筋トレができず、肩ではなく僧帽筋をつかったトレーニングになってしまい、目的が異なってしまう場合があります。
そこで、関節に痛みがあったり、肩がすくんで正しいフォームでトレーニング出来ないという人は、肩回りの柔軟性や可動域を高める為のストレッチをすることをおすすめします。
やるべきストレッチは以下の4つ
- 僧帽筋をのばして肩甲骨はがし
- 下った肩甲骨を引き上げるストレッチ
- 丸まった胸を開くストレッチ
- カラダに酸素を送る呼吸ストレッチ
詳しいやり方については以下の記事を参考にしてください。
肩を鍛える!三角筋トレーニング5選

三角筋は、自重では鍛えにくい筋肉です。
そのため、自宅で鍛える場合はチューブかダンベルを購入しましょう。
チューブは、5段階ほど強度を変えられるセットが2000円前後で売られています。
ダンベルは片手あたり5〜20kgに変えられる可変式がおすすめです。
ジムに通えるならば、ジムで行いましょう。
フォームに自信がない人はパーソナル・トレーニングがおすすめです。
- ショルダープレス(難易度:★★☆☆☆)
- アップライト・ロウ(難易度:★★★☆☆)
- フロントレイズ(難易度:★☆☆☆☆)
- サイドレイズ(難易度:★☆☆☆☆)
- リアレイズ(難易度:★★☆☆☆)
※トレーニング回数や負荷についてはその人の骨格や体調などによって異なります。以下で紹介する回数は参考値のため、自分に最適な方法を知りたい方はパーソナル・トレーニングを利用するとよいでしょう。
ショルダープレス(難易度:★★☆☆☆)
ショルダープレスは、三角筋前部・中部を鍛える代表的なメニューです。上腕三頭筋も同時に鍛えられます。チューブ・ダンベル・バーベルを用いて行いましょう。
- 椅子に座って重りを持ち、肩の真横に肘がくるように上げる。肘は90度。バーベルの場合は、頭の後ろにバーがくるようにする。
- 肘が伸びきるまで腕を上げて、ゆっくり1に戻す。
- 10回ほど繰り返す。
【参考】逆立ちでのショルダープレス(難易度:★★★★☆)
逆立ちでのショルダープレスもありますが、初心者には危険なので身体能力に自信がない人はやめましょう。
- 肩幅より広く手をつき逆立ちする。壁に脚をつけて支えてもいい。
- 頭が床にぶつかるぎりぎりまでゆっくり下げる。1のポジションまで上げる。
- 10回ほど繰り返す。
アップライト・ロウ(難易度:★★★☆☆)
アップライト・ロウは、三角筋中部を鍛えられます。チューブ・ダンベル・バーベルを用いて行いましょう。
- 重りを持って立つ。グリップは股関節の前。
- バーが首の高さにくるまで、肘から上に上げる。このとき、肩甲骨が上がらないように意識する。ゆっくり1に戻す。
- 10回ほど繰り返す。
フロントレイズ(難易度:★☆☆☆☆)
フロントレイズは、三角筋前部を鍛えるトレーニングです。チューブかダンベルを用いて行いましょう。
- 重りを持って立つ。グリップは股関節の前。手の甲が前に向くように。
- 腕を伸ばしたまま、ダンベルを前に上げる。目線の高さまで上げたらゆっくり1に戻す。
- 10回ほど繰り返す。
サイドレイズ(難易度:★☆☆☆☆)
サイドレイズは、三角筋中部を鍛えるトレーニングです。チューブかダンベルを用いて行いましょう。
- 重りを持って立つ。グリップは腰の横。手の甲が横に向くように。
- 肘を軽く曲げてダンベルを横に上げる。肩の高さを少し超えたらゆっくり1に戻す。
- 10回ほど繰り返す。
リアレイズ(難易度:★★☆☆☆)
リアレイズは、三角筋後部を鍛えるトレーニングです。チューブかダンベルを用いて行いましょう。
- 重りを持って立ち、膝を少し曲げて体幹を地面と水平くらいに前傾させる。グリップは胸の下。手の甲が前に向くように。
- 肘を曲げて肘を横に最大限上げる。ゆっくり1に戻す。
- 10回ほど繰り返す。
肩を鍛える!回旋筋腱板の筋トレ3選

続いて回旋筋腱板のトレーニング3種類を解説します。
回旋筋腱板は大きな筋力を発揮する筋肉ではないので、1〜2kgのダンベルや、負荷の弱いチューブを使いましょう。
すべて片手ずつ行います。
- エクスターナルローテーション(難易度:★☆☆☆☆)
- インターナルローテーション(難易度:★☆☆☆☆)
- エンプティカンサイドレイズ(難易度:★★☆☆☆)
※トレーニング回数や負荷についてはその人の骨格や体調などによって異なります。以下で紹介する回数は参考値のため、自分に最適な方法を知りたい方はパーソナル・トレーニングを利用するとよいでしょう。
エクスターナルローテーション(難易度:★☆☆☆☆)
エクスターナルローテーションは、棘下筋と小円筋を鍛えるメニューです。
- 横になり上側の手に重りを持つ。肘を90度曲げて、手の甲が上になるようにグリップをへその前におろす。
- 肘の位置を固定したまま、上腕を外旋(外側にひねる)させて重りを上げる。
- 限界まで外旋させたら、ゆっくり1へ戻す。
- 20〜30回ほど繰り返す。
インターナルローテーション(難易度:★☆☆☆☆)
インターナルローテーションは、肩甲下筋を鍛えるメニューです。
- 横になり下側の手に重りを持つ。肘を90度曲げて、手のひらを上に向ける。
- 肘の位置を固定したまま、上腕を内旋(内側にひねる)させて重りを上げる。
- カラダにつくまで内旋させたら、ゆっくり1へ戻す。
- 20〜30回ほど繰り返す。
エンプティカンサイドレイズ(難易度:★★☆☆☆)
エンプティカンサイドレイズは、棘上筋を鍛えるメニューです。
- 立って重りを持つ。手は腰の45度前に。小指が45度前にくるように少し内旋する。
- 肘を曲げず小指から45度前に上げる。45度の高さまで上がったら、ゆっくり1へ戻す。
- 20〜30回ほど繰り返す。
肩を鍛える際の注意点

怪我を予防する
肩の筋肉の1つ1つはそこまで大きな筋肉ではないので、大きくするためにやみくもに負荷を大きくするよりも「正しいフォーム」で「正しい部位に効かせる」ことの方が大切。
無理に負荷を上げると怪我の恐れもある。
肩の筋トレも漸進性の原理に基づき、段階的に負荷をあげていき怪我を予防しましょう。
自分の限界に挑戦するためにはパーソナル・トレーナーなどのサポートを入れることで怪我のリスクを回避することが出来るでしょう。
休養と回復に力を入れる
肩を鍛える頻度ですが、筋トレ後2〜3日かけて筋肉は回復しながら成長します。
そのため、肩を鍛えたら2〜3日空けてから再度鍛えましょう。
がっしりした大きな肩をつくりたい!という人、フィジークなどの大会を目指す人は高重量で追い込むトレーニングをするので、なおさら休養と回復に力を入れる必要があります。
マッサージ、入浴、睡眠の質といった方法で回復力を上げることも心がけましょう。
肩の筋トレ効率を上げる食事
プロテインの語源は「第一となるもの」「一番大切な物」
生きていく上で一番必要な栄養素であるプロテイン(たんぱく質)は筋トレしている時はさらに積極的に摂る必要があります。脂質の少ない、質の良いタンパク質の摂取をこころがけましょう。
筋トレに適した食事や栄養素については以下の記事も参考にしてみてください。
左右差に気を付ける
聞き手側の肩が大きくなりやすく、左右差が気になるという人が多いのも肩の筋トレの特徴。
初心者の場合は然程気にせずまずは正しいフォームで筋トレをすることに注力していれば問題ない。
左右差が気になる中上級者は
- バーベルよりダンベルを使用する
- ストレッチでカラダの歪みを正す
- インナーマッスルからカラダを整える
ことに注力してみましょう。
バーベルだと強い方の肩で弱い方を補って負荷を上げていても気づきづらいため、両手でバラバラのダンベルを持つほうが左右差に気づきやすい。
鏡で拳上速度を確認しながらトレーニングしたり、動画撮影や、パーソナル・トレーナーによる目視で問題点を見出すと対策がとりやすいです。
弱い側の負荷や回数を上げる、という人もいますが、見た目の改善にはつながっても、根本的な問題解解決にはならないのが実情。ストレッチやインナーマッスルへのアプローチで左右差を基から整えることをおすすめします。
肩のトレーニングで理想の肩を手に入れよう
肩の筋肉とその鍛え方、代表的なトレーニングを8つ解説しました。
ここで解説したトレーニングをしっかり行えば、あなたの理想の肩に近づくでしょう。
しかし自分でトレーニングを行うには、フォームや負荷の設定が難しいもの。
間違うと効果が出なかったり怪我をしてしまったりするリスクもあります。
また左右差がある人は、インナーマッスルから整える必要があるものの、インナーは意識がしづらく整えるのが非常に難しい。
そこで、可能であればパーソナル・トレーニングでプロの指導を受けることをおすすめします。
気になる方は以下の記事も読んでみてください。
ぜひ、この記事で解説した肩トレーニングを行って、理想の大きい肩やしなやかな肩を手に入れてください。
丸みのある逞しい肩には厚みのある胸、広がりのある背中といった全体的なバランスが整うと見た目の機能の両面でメリット大です。以下の記事も参考にして全身をバランスよく鍛えてみてください。
