ダイエットのための食事制限で「一日一食」の食生活をする人がいますが、はたして本当にダイエットに効果があるのか?考えられるデメリットとは?
ダイエットを成功させるための、正しい食事の摂り方について解説します。
一日一食ダイエットのメリットとリスク
結論から言って一日一食ダイエットで体重を落とすことは可能です。
しかし、見た目がすっきり引き締まるか?痩せたカラダをキープできるか?という点では問題点があります。
減量効果は期待できるがリバウンドのリスク大
1日3食たべていたものを1食にするので、1日の合計摂取カロリーが減るため、体重を落とすことは可能です。
ただし、代謝の悪いカラダになってしまい、痩せにくくリバウンドしやすい体質になってしまうリスクがあります。
長期的な栄養不足が招く問題点
1日1食では、ダイエットに関係なく、健康的に生きていく上で必要不可欠のタンパク質が不足してしまうだけでなく、その他のカラダに必要な栄養素も十分に摂ることができません。
ビタミンミネラル不足は、代謝をダウンさせ、ダイエットに悪影響になる以外にも、ホルモン分泌などにも影響を及ぼします。
人間のカラダの中では作り出せないビタミンCなどは、1度に大量に摂取しても吸収されない為、こまめに摂取する必要があり1日1食だとカバーできない可能性が大きです。
ダイエット以外でもたらされる効果がある
マサチューセッツ工科大学のレオナルド・ガレンテ教授が発表した、サーチュイン遺伝子、別名長寿遺伝子は「空腹」によって活性化される、というエビデンスがあるように、ファスティングなどで一定の空腹期間を設けることで、ダイエット以外のメリットが得られる可能性があります。
ダイエット目的以外で一日一食を摂り入れるメリットや注意点については、この記事の後半でも簡単に解説します。
1日1食ダイエットのデメリット
結論から言って、1日1食ダイエットにはリスクが多いです。
たとえ食事制限をしながら筋トレなどの運動に励んだとしても、必要なタンパク質量が少ないと効果があらわれづらく、頑張りが無駄になる可能性があります。
1日1食ダイエットが健康に及ぼす危険性についてお話します。
筋肉も基礎代謝も減る
1日1食ではタンパク質の摂取量が減り、筋肉が増えないばかりか減ってしまい、筋肉の少ない基礎代謝の低いカラダ、つまり痩せづらいカラダになってしまいます。
1回に摂取できるタンパク質量には限りがあるので、1日1食でカラダに必要なタンパク質を、昼だけないしは夜だけ、というようなまとめ摂りはできず、1日に何回かに分けて摂取する必要があります。
リバウンドしやすくなる
空腹時間が長いと、生きていく上で必要なエネルギーを、筋肉を分解してつくりだしてしまいます。大切な筋肉が減ることはデメリットでしかありません。
【筋肉の少ないカラダ=基礎代謝が低い→太りやすいカラダ】【筋肉の少ないカラダ=基礎代謝が低い→太りやすいカラダ】
の悪循環に陥り、やせにくい体質に。
ダイエッをしては、リバウンドを繰り返す人はこのループに陥っている場合が多いです。
栄養不足になる・バランスが悪くなる
1日に必要な栄養素が不足すると、ダイエットに必要な代謝が円滑に行われないばかりか、体重が減ったとしても、筋肉がへったり、水分不足で乾いた印象になると、美しく痩せた、引き締まった、というよりはやつれた印象になりかねません。なりたい自分の姿とはかけ離れてしまうリスクがあります。
省エネなカラダになる
1日1食だと、カラダは危機感を覚え栄養を温存しようとすることで、少ないカロリーでやりくりする省エネモードに入ります。
つまり脂肪を溜め込みやすいカラダになり活動的でなくなり、よけいなパワーを使わない省エネモードという悪循環に陥ります。そこに1日三食ガッツリ食べの食生活にもどすとより体脂肪が増え危険性があります。
仕事のあとも好きなことを楽しむ!休日にスポーツを楽しむ!とい事ができないカラダになってしまうかもしれません。生活の質も省エネモードになったら困りませんか?
空腹がつらい・継続できない
食べることが好きな人にとってはかなり空腹がつらい可能性もあります。
空腹を我慢するストレスで継続できなかったり、反動でどか食いをしてしまうリスクがあり危険度大です。
便秘になりやすい
必要な栄養素や食物繊維が欠乏しやすく、食事をしない分水分摂取が少なくなりがちです。体内の水分量が減ると、便秘になる可能性があります。体重が落ちたとしても下腹ポッコリでは残念です。便秘がひどくなると痔になる可能性も・・・
1日1食ダイエットを避けるべき人
・成長期の子ども、青少年
・妊婦
・基礎疾患のある人
・食べることがストレス解消になっている人
・会食が多い人
成長期の子ども、青少年や、妊婦は特にエネルギーを必要とするため1日1食は向きません。
糖尿病などの基礎疾患がある人も、血糖値コントロールが必要なので1日1食は危険な場合があります。医師の指示に従いましょう。
食べないことがストレスになると、カラダ以外の不調がでたり、ダイエットとリバウンドを繰り返す、ひどくなると摂食障害につながりかねないので注意が必要です。
「1日1食なら何を食べても良い」のリスク
1日1食ダイエットの中でも、1日1食ならば何を食べてもOK!というやり方には危険です。
ラーメンにかつ丼に・・・と、一気にカロリー、脂肪、糖質を多量にカラダに流し込むとカラダは悲鳴をあげてしまいます。
血糖値の急上昇や血中脂肪の上昇により、生活習慣病や、血管への負担、将来の認知能力にも悪影響が出かねません。
また、胃が大きくなってしまうと、空腹を我慢するのが苦痛になってしまいます。
1日1食がダイエット以外でもたらす効果
1日1食の食生活はダイエット以外で効果が見込める場合があります。
間欠的ファスティングという言葉は聞いたことがあるでしょうか?12時間、16時間と言った一定の時間、胃に食べ物を入れないことでカラダに得られるメリットがある、という食事療法です。
1日のうちに連続した16時間の絶食タイムを設けるダイエット法 は8時間の間に食事を済ませるため、エネルギーの摂りすぎ食事のダラダラ食べなど、太る原因になる食べ方を自然と避けられるようになります。また、16時間ダイエットにはほかの方法では得られない大きなメリットがあるようです。その秘密は「オートファジー」にありました。オートファジーで細胞を活性化できる16時間なにも食べないことで、体は軽い飢餓状態に入ります。このとき働くのがオートファジー(細胞の自食)。オートファジーが起こると不要な細胞やたんぱく質は分解され、アミノ酸として再利用されます。
【ダイエット以外の効果】胃腸の負担を軽減する
夜6時に夕飯を食べ、翌日10時まで 睡眠時間を含む16時間食事をしないと消化のためのエネルギーを削減できる。胃腸が休息できます。
【ダイエット以外の効果】成長ホルモンの分泌を整える
過食、満腹状態は成長ホルモンの分泌を抑制します。
成長ホルモンが低下すると骨や筋肉量が増えづらく、筋肉量が少なくなります。脂肪増えやすいカラダになりやすいので注意が必要です。
筋肉の成長を促す成長ホルモンの分泌が目的でファスティングをするボディビルダーがいるのもうなづけます。
【ダイエット以外の効果】むくみがとれる 肌がきれいになる
体に蓄積した毒素の排出をうながし むくみがとれる、肌がきれいになる などの効果を感じる人が多いのも確かです。
肌の表面だけでなく、腸の中も同じようにバランスが整いやすくなります。
【ダイエット以外の効果】慢性的な炎症を改善
カロリーのとりすぎ、運動不足、喫煙、アルコールなどによ内臓脂肪が蓄えられると、たまった脂肪から炎症を引き起こす物質が分泌され、内臓や血管に炎症反応がでやすくなり繰り返すうちに慢性化してしまうリスクが高いことはご存知ですか?
間欠的ファスティングを定期的に取り入れることで、炎症の軽減が期待されています。
【ダイエット以外の効果】脳のデトックスにもつながる!?
腸と脳には密接な関係性があるため、ファスティングで腸がデトックスされると、脳にも良い影響があると言われています。
ケトジェニックダイエットのメカニズム同様、ファスティングでカラダに蓄えられた糖質を使い切ると脂質がエネルギーとして稼働します。この時にぶどう糖の代わりに使われるケトン体が神経伝達物質を増やす助けをすると言われているからです。
神経伝達物質の増加で集中力が高まったり、瞑想に近い脳の平穏を得ることが出来ると考えられます。
間接的にダイエットを底上げする!
1日1食の生活で腸が休まると、睡眠の質が良くなる、認知機能のキープに効果があるなどの研究結果もあります。ダイエットのためではなく「カラダの機能を整える」ために1日1食に近いファスティングにはメリットがあります。
ただし、単に食べない だけでなく、実施時間や期間により、スープやプロテインドリンク、酵素ドリンクを摂り入れるなどの工夫、高度な知識が必要なので、専用の施設や、サービスのもと行うことを推奨します。
腸の状態が整うとダイエットのための正しい食事を効率よく吸収できるようなるので、正しくファスティングすることで、間接的に健康的なダイエットつながる可能性は少なくありません。
1日何食がベスト?無理なくダイエットする食事法のやり方
1日5~6食で血糖値コントロールがベスト!
ダイエットを成功させるためには「血糖値コントロール」が要になります。
血糖値を安定させる食事の間隔は3時間です。仮に1日24時間のうち8時間寝るとすると、起きている時間は16時間になります。その16時間を3時間で割るとおよそ5回です。(起きている時間が長い人は1日6回に分割。)
つまり、一日3食ではなく一日5食が正解です。
例えば、
食事1 7:30
食事2 10:30
食事3 13:30
食事4 16:30
食事5 19:30
5食といっても毎回お腹いっぱいの食事はいけません。1日に摂取すべき食事を5-6回に分割しましょう。「満腹にならない量」「空腹にならない量」が基本です。
ダイエットを成功させる食事については、以下の記事にて詳しく説明しています。
PFCだけでなく5大栄養素をバランスよく
ダイエットにはやはり高タンパク質、低脂肪、低糖質の食事が基本です。
また、PFCだけでなく、カラダの「代謝」をつかさどるエネルギーを作り出す向上にPFSを送るためにはビタミンB群や、L-カルニチン、αリポ酸といったビタミンやミネラルの助けが必要不可欠です。
PFCバランスとは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
PFCとは、三大栄養素の英語の頭文字をとったものです。
「Protein」たんぱく質
「Fat」脂質
「Carbohydrate」炭水化物
この3つの栄養素を別名「エネルギー産生栄養素」ともよばれており、人間が社会活動をしていくうえでなくてはならない重要な栄養素と言えます。
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PFCに加えて、ビタミンとミネラルを加えた5大栄養素をバランスよく摂りましょう。
足りない栄養素はサプリメントを有効活用し、食事から栄養素を摂るためにカロリー過多になりすぎないよう気を付けましょう。
糖質制限ダイエットのメカニズムや、サプリメントの有効活用については以下の記事を参考にしてください。
やはり運動もとりいれたい
ダイエットを成功させるためには「食事9割」と言われるほど食事が大切です。
とはいえ、やはり1割の運動の効果も重要!
ダイエット効果を底上げする筋トレやストレッチの詳しいやり方や筋肉がダイエット以外にももたらす多大なメリットについては以下の記事も参考にしてみて下さい。
まとめ 結果的に1日1食はダイエットには向いていない
一日一食ダイエットは気軽に始められますが、悪影響のほうが多いのではないかと警告します。
一日一食の間欠的ファスティングはダイエット以外のメリットはあるものの、正しいやり方をしないとデメリットのほうが多くなりがちです。
ダイエットに必要なのは「血糖値コントロール」を考慮した食事回数、栄養素と量です。1日の食事を5-6回に分けるからといって、毎回お腹いっぱいの食事には注意してください。1日に摂取すべき栄養素を5-6回に分割しましょう。「満腹にならない量」「空腹にならない量」を食べることが大事です。
「胃を大きくしない」「血糖値をコントロールする」ことを意識して食べることが何より大切です。
そして運動でダイエットの成功を後押しすると尚いいでしょう。
正しい知識がないと辛いダイエットをしてもリバウンドしてしまうことが多々あります。ダイエットとは「正しい食事法」を意味するのですから!!!
理想のカラダになるための正しい食事法を知って、外側だけでなく内側からもキレイになってください!
椿原順子
52歳にして、インスタフォローワー1万人の人気インフルエンサー。モデル、美容家、コスメPR、オーガニックコスメライターもこなす。特にオーガニックコスメに精通しており、その人の肌質にあわせたコスメを選ぶパーソナルカウンセリングも行っている。