「同窓会まであと1ヶ月、それまでにスッキリと痩せたい」「来月の入社式までに痩せて新しい生活をスタートしたい」・・・と考えた時によく聞くのが1か月で体重を「5kg落としたい」という言葉。
しかし、本当に5kg体重を落とせば理想のカラダを手に入れることができるのでしょうか?
1ヶ月で理想のカラダに近づけるためにやるべきこと、やってはいけないことをカラダづくりのプロであるパーソナル・トレーナーに聞いてみました
「5kg痩せる!」は1ヶ月で可能なのか?
1か月で5kg痩せることは可能です。しかし、注意しなければならないのは、誰にでもできることではないということ。それぞれの体形や体脂肪の量、健康状態などによりますが、パーソナル・トレーナーをつけてかなり過酷で過激な運動と食生活をこなせば、実現する人は居ると思います。
俳優さんが役作りのために短期間でカラダを変える場合にはこういったこともあり得ますが、決して一般的ではありません。
そもそも「痩せた」ことで得るスリムな見た目。それは健康体といえるのでしょうか。特に、「食べないダイエット(マイナスのダイエット)」で無理矢理体重だけを落とすのは危険が伴います。
1ヶ月で5kg痩せることは、見た目も、カラダの内側も健康とはいえなくなるかもしれないのです。そもそもマイナス「5kg」は適切な目安といえるのでしょうか。
多くの人が「5kg痩せたい」「3kg痩せたい」と言います。体重を落とすことが「痩せた美しいカラダ」の基準なのでしょうか。
健康的で美しい体とは、引き締まったメリハリのあるボディ。単に体重を落としたのではなく、ぜい肉を絞って筋肉をつけたカラダです。
「体重」という尺度にとらわれすぎないほうが良いのです。
ダイエットを始める前に確認するべきこと
「痩せたい」「カラダを変えたい」と思ったときに、まずはきちんと自分を知って目標を立てることが大切。注意することを整理しました。
今の自分の状態を知ること
体重だけでなく、体脂肪率と筋肉量のバランス、基礎代謝の数値を知ること。それによってどこを強化するのか、どのようにアプローチするのがよいか、などダイエットの方法が明確になります。
ジムなどにある体組成計で測定すると正しい数値を導き出せるだけでなく、プロのアドバイスを得ることができますので自己流より結果が出やすくなります。
目標を明確にすること
「痩せたい理由」、「どのくらいの期間で痩せたいのか」、「絞りたいカラダの部位を明確にする」、「目標の数値設定を行う」といったことをきちんとクリアにすること。そうすることがブレずにゴールを目指せることにつながります。
また、目標を決めたら、その手前の小さな目標も設定し、段階的に乗り越えていくプランを立てると挫折せず続けやすくなると思います。
自分の性格に合った方法を見つけること
食事も運動も、両方ストイックに頑張ることができればベストですが無理は禁物。自分らしい方法を見つけること。
運動量は多めで頑張れるが食事制限はやや緩め、逆に食事はしっかり頑張れるが、運動はほどほど。
朝昼夜いつのタイミングに運動を組み込めるライフスタイルか?
など、性格や、生活リズムに合わせてダイエットのスケジュールを立てるのが長続きのコツ。
無理なスケジュールややり方では続かなくなってしまいます。
1ヶ月で痩せるための正しい食事法
食事は「マイナス」ではなく「プラス」するという意識を持つこと
食べない!食べる量を減らす!という「マイナス」のダイエットではなく、ダイエットに必要な栄養素を「プラスする!」意識を。健康的で効率的な食生活を取り入れることが大切。
食事制限は「我慢」ではなく「選ぶ」こと
「食べたいものをひたすら我慢する!」というマインドだとどうしてもストレスが大きくなってしまいます。ダイエット中に食べられる食材の知識が豊富になるとその中から「選ぶ楽しみ」ができるので知識を増やしていきましょう。
本気の変化を求めるなら糖質制限すること
糖質制限ダイエットは脂肪を燃やすことができるというメリットがあります。
食事量を極端に減らすことなく痩せることができるうえに太りにくいカラダづくりもできるのです。
ただ、単に「お菓子を食べない」「間食を減らす」というものではないので、正しい方法で行うために、以下の記事も参考にしてみてください。
糖代謝や内分泌系のトラブルがある人は自己判断せず必ず医師の判断に従ってください。
食べることを楽しむこと
忙しい現代人がやりがちなスマホ片手に「ながら食べ」。これだと何をどのくらい食べているか?の認識ができず太りやすくなってしまします。
ダイエットを機に「料理すること」を楽しんでください。
- 同じ食材でも切り方を変える(手でちぎる、など変化させることで見た目や食感に変化を出す)
- スパイスを活用して味に変化を出す。
- 旬の食材(やハーブ)で五感を刺激する。
- 盛り付けや器にこだわる。公園などいつも食べる場所を変える。
- 家で好きな音楽を聴きながら食べる・・・など。
食の価値観を見直す良い機会にしてみてはいかがでしょうか。
マインドフルイーティングを身につけると、ダイエット後のリバウンド対策にも役立つかもしれません。
1ヶ月でカラダを引き締めるための運動
ダイエットの成功の大きな部分を占めるのは食事。とはいえ、運動がダイエットの成果を底上げし、リバウンドしないカラダを根本から作り上げることは事実。
ダイエットのための運動を紹介します。
ランニングと筋トレと組み合わせる
ダイエットする場合、体重を落とすにはランニングなどの有酸素運動をするのが良いと考える人が多いようですが、実は有酸素運動で脂肪を燃焼させることは効率的ではないことをご存じですか(NGではないが効率低い)。1ヶ月という短期間で効果をだすのであれば断然無酸素運動=ウェイト・トレーニングがおすすめです。
有酸素を取り入れるのであれば、筋トレをメインにしてランニングは補助と考えること。行う順序としても筋トレしてから有酸素運動を。(手軽にできる有酸素運動 ランニングのほか縄跳びや水泳など)
スクワットで大きな筋肉に働きかけること
痩せたい人が「筋トレ」と聞くと、人目に触れやすい腕や足といった部分痩せに取り組もうとしますが、残念ながら部分痩せは効果を出すのが難しいんです。
まず、腿・お尻・胸・背中 といった大きな筋肉を鍛えることが大切。そうすることで代謝がアップし代謝の良いカラダになることで結論的に部分痩せに繋がっていくといういい循環となります。
だから大きな筋肉を鍛えることが最優先となります。
スクワットで、一番大きな筋肉「大腿四頭筋」を鍛えることからはじめてみましょう。
余裕があれば以下もおすすめです。
- 背筋を鍛えるラットプルダウン
- 大胸筋を鍛えるプッシュアップ(腕立て伏せ)
- お尻を鍛えるグルートブリッジ
ストレッチで巡りを良くする
ストレッチを行うことで
- 血流良くなる
- 筋肉の柔軟性あがる
- 関節可動域がアップする
など、筋トレ効果をUPするだけでなく、日常生活や健康全般へのメリットが高くなります。ダイエット中だけでなくストレッチを習慣化するといい効果に。
1か月でカラダの印象を変える生活習慣
呼吸に集中する
日ごろ意識していない自分の「呼吸」に集中することでカラダの神経系を活性化できます。
おすすめ呼吸法として
- あぐらをかき骨盤を立てる
- 鼻から吸って鼻から吐く
- 腹式呼吸で息を吸ったときにお腹ふくらまし、吐いた時にお腹をへこます。
「呼吸すること」で自律神経が整えられて、ダイエットのストレス対策にもなります。
ウォーキングなど日々の姿勢を意識する
歩く時、座っている時、日々の生活で骨盤が傾かないよう、しっかりと地面(座面)に垂直に立つように心がけることで体幹が刺激されエクササイズになります。
また、姿勢が良いと立ち居振る舞いが美しく見え、痩せた痩せてないとは関係なく美しい立ち姿など印象美を与えることができます。
神経系トレーニングに取り組む
神経系トレーニングで2つ以上の筋肉の連動を高めることで
- 美しい姿勢
- しなやかな動き
を習得できます。こちらも見た目の印象がアップして、すっきりとスリムな印象に見えます。痩せたといったことより印象の若々しさや優雅さが手に入ります。実際にカラダにメリハリが出ることもあります。(1ヶ月で実現可能かといわれると難しいですが・・・)
ジムで本格的に神経系トレーニングに取り組むとカラダの立体感(くびれ)が生まれます。多くのミスコン出場者はこのトレーニングを行っています。
自宅であればピラーマーチや坂道ダッシュなどを運動に取り入れましょう。
まとめ
今回は、短期間のダイエットについての「食べ方」「運動」「生活習慣」について書きました。
あと1ヶ月で結婚式など、確実な結果を出したい人は自己流で行うのは難しく、やり方を間違えると危険です。
健康を害さずに無理をしないためには、やはりプロの手を借りるのが間違いありません。パーソナル・トレーニングを視野に入れる場合は、実際に食事のアドバイスや提供まで行われるところの方が効果が出やすいでしょう。
年齢による痩せづらさを感じている人は、以下の記事も参考にしてみてください。
文/見学裕己子
(株)elena代表取締役 ライター
結婚、出産を経て、光文社「VERY」でライターとして活動開始。その後「STORY」「HERS」編集部にてファッション、インタビュー、旅、ライフスタイルの取材を行う。ライター歴22年。アラフィフ世代のウェルビーイングについて取り組みたいと2021年3月(株)elenaを立ち上げ。イベントのプロデュースのほか健康関連のサイトでディレション、取材や記事作成を行なう。健康管理士1級指導員の資格も取得。